MelancholyDampirの日記

ウツな人の独り言

CINDY~精神病院1日退院~

精神病院に入院したことがある。

もう3年以上も前か?
もう、自分ではどうにも負の衝動に勝てなくて、
駆けつけた母さん(もと看護師)も、どうしようもなくて妻も同意した。


精神病院は2重ロックで長い廊下。
灰色がかった白にところどころ剥げ落ちた壁。

全くの異世界だった。

自称シンディーとか言う女(年齢不詳)が『あんた、格好いいじゃん』と言った。
正気ではないことが、目を見ればすぐ判った。

タバコやベルト・・全てが厳重に保管され、「入院セット」を全く持っていかなかったボクは変人扱いだった。
面倒な許可を取ってタバコを吸いに行くとライターには鎖・・。

喫煙室はジャンキーかアル中?の「るつぼ」で雀荘より煙っていた。
ひとりの年配の女性が言った。

『あんた、ココきたら最低5年は出れないよ?』


「あ、そうですか」とタバコを吸っていたら、背中から煙?
年配の女性がニヤついていた。

そこにシンディーが入ってきて、入院してる人(もうなじみなのだろう)を紹介してくれた。
高校生でキズだらけの女の子。
17年いる人。
動かない人。

そこへオウムの平田がドスを飲んだような目つきの長身の男がきた。

『新人か!?』



周りが緊張している。
明らかに、「主(ヌシ)」みたいな男だったのだろう。
いきなりつかみかかってきたので、こっちも表へ出ましょうと言って


投げ飛ばした・・



今思えば、ゴメンね。
あの頃は手加減なんて出来なかったから。
ボクはまず体が動くようにJOたちに訓練されてきちゃったから・・。

ガタイのいい白い制服の男(看護師だろう)が2人武器?をもってやってきた。




蹴り飛ばした・・



それがいけなくて即刻「閉鎖ベヤ」なる密室に入れられた。
大量のわけ判らん薬を飲まされた。

五体が拘束されているので、することがない。
好きな歌を歌ったり、ひとりで落語をしていると、さっきの白男が窓越しに言った。




『ソコは怖がって皆、近づかないぞ・・』




よく見れば、壁には引っかきすぎたのか血の跡があった。
ガラスもゆばんで、窓の師浮間から冷たい風が入ってきた。
ベッドもトイレ(丸見え)もガタガタだった。

関係無しに眠った。

翌日、母さんと妻子が見舞いがてら、入院セットを持ってきた。
ブランドからお気に入りのものまで全てに乱暴にマジックで名前を書かれたらしい。

『薬が強いので面会はムリです』と言われたらしいがボクはノコノコ起きた。

あまり薬が効かないので院長に言った。


「お陰でよく眠れましたから退院します」


院長は『絶対に出さない』の一点張りだったが、ボクなりに予備知識もあったので、
院長と論争してDSM-Ⅳあたりで日本精神医師会よりの院長も面倒くさくなったらしい。

退院できた!

帰りにシンディが言った。

『あんた、24時間もいないのにもう何年も語られるよ・・?』

だからなんだ・・!ボクは居場所ぐらい自分で決めたかっただけだ。
「じゃあね・・」
と言って、振り向くのをヤメタ。

それっきり入院は無い。

CINDYはまだ入院中だろう。
名前の書かれた服や下着を見るたびにふと思い出す・・。