MelancholyDampirの日記

ウツな人の独り言

良くいるヒト

朝からそいつは不機嫌だ。
職場とか学校とか、自分以外の人がいる場所に早く着きたいと思う。
誰かと何か話したいのに、自分が誰かと繋がりたいのは悟られたくないのだ。
話と言えば不平不満だ。

おはようと言えば、声が小さいとか、今頃なんだとか言う。
言うのはまだ良い方で、大抵は無視をする。
自分が無視をされることは想定外だ。
仕事の話でも、やれ上からの連絡が遅いとか、同僚の手際が悪いとか言う。
自分はいつも不手際の勘定の外だ。
世間話でも、知らないとは言わない。
とにかく優位を示そうと、お門違いの話題を詰め込んでくる。
重要なことは、自分がどこに位置するか、下の方ではない、それだけだ。
どこの誰であろうと、決まり文句を繰り返す。
無駄だ・つまらん・時間の無駄だ・自分の方が・・・

だから、その不平屋には、皆してなるべく話をしない。
監理ポストにいる不平屋は厄介だ。
難癖をつけては、印を押さない。書類を通さない。
自分が少しでも蚊帳の外にいると知れば、前に進ませない。
子供より駄々をこねる。

そいつは、いつも一人で昼食をとる。
弁当組を覗いては文句を言い、自分の店屋物にも不平ばかり言っている。
不味い飯の上に愚痴愚痴と・・。
やっぱり不味いを連発している。
こいつは美味い飯をいつ食べるのだろうか。

そいつは、定時には帰らない。
16時ころからいなくなる。
文句を言いに、残っている奴の処を転々とする。
電話が鳴らなければ、こっちからかけてまで不平を言っている。
「私だけで決められることじゃないので・・」などと言っている。
そして電話を切り、不機嫌極まりない面をしている。
たまには、文句を言わずに、一人で決めても大丈夫だと思う。

夜遅く、不平屋は帰っていく。
自分が自由意思で遅くなっておいて、なぜか急ぎ足で帰るのだ。
バスに走り、電車に走る。
誰かが待っているのか。
否。
急がないと、自分への不平がこぼれてしまうんだろう。
哀れな不平屋。
更に哀れなことは、不平屋がいくら消えても、世の中はまっとうになるだけ。
残酷だと少し思う。