MelancholyDampirの日記

ウツな人の独り言

弟のひとこと~弟の道~

全くの私事なので飛ばしてもらって構わない。

弟が仕事を辞めた。
時代遅れな「徒弟制度」全開の職場で9年間勤めあげた。

今日電話で弟が言った。

『辞めたよ・・』


ボクが怒ると思ったのだろうか?

そんなことは微塵も考えていない。
誰がお前を責める!?
誰にも責めさせてはいけない!

弟よ、お前の歩いてきた道はもう誰も歩くことは無いだろう。
それだけ険しく、険しすぎた道だったんだ。

弟よ、一般人が「楽しく休む日」ほど、お前は忙しかった。
新人が次々に辞め、後輩もなく、理解ある上司も少なく、孤独な毎日。
何ヶ月も休むことさえ許されず、睡眠時間は「1週間単位」・・。
家に帰るヒマもなく、かといって金もなく、マンガ喫茶などで「野宿同然」の毎日・・。
疲れの取れない体に鞭打って、止まらない血を流し続けてお前は走り続けた。

弟よ、眠るヒマもなく骸骨のようにやせ細りながらも「仕事に行く姿」が
ウツのボクには、どんなに頼もしくまぶしく見えたことか!?
ボクが実家で半狂乱になったとき、やっと眠っていたのに「起き上がって押しとめてくれたあの力」。
ボクは一生忘れないだろう。

弟よ、お前の歩いた道を、また誰かが歩いてくるかもしれない。
大半は3日くらいで引き返すだろう。
1年歩いた者がいても「突き刺さるイバラ」に耐えながら、ふと前を見ればお前の足跡・・。
3年歩いた者がいても「焼け焦げた足元」に耐えながら、ふと前を見ればお前の足跡・・。
更に歩いた者がいても「血だらけの道」に耐えながら、ふと前を見れば、やっぱりお前の足跡・・。
誰も、もうお前の真似は出来ない。


弟よ、お前の9年は一生分に値する!



兄として偉そうに言えることは何も無い。

今は、実績と足跡をかみしめながら静かに眠ってくれ。

(注:別に弟は死んだわけではない)