ＴＨＥ ＶＯＩＣＥＳ ＯＦ ＦＡＴＨＥＲ～母の声・母に寄せて～

不真面目な態度で真面目に書く。
母の日らしいで母（母性）のことを書く。
タイトルのＦＡＴＨＥＲは深く考えないで欲しい。

なんでボクみたいなのがまっとうに生きているんだろう！？

勿論、色んなヒトや環境のお陰、お陰さま、なのだ。
（いや、ボク自身も出来る限りの努力はしているが・・）

ボクは幼少期からひどい子どもだった・・と思う。
井戸に農薬入れたり（色が変わって楽しかっただけ）、
近所でケンカして泣いて泣かされして（女の子の顔にキズ！はポイント高いとか・・）、

幼稚園では既に「どういうウソなら大人はこういう反応する」を会得してニヤついていた。

ウソうをつくのは当たり前！
盗むことも当たり前だった。
駄菓子屋を潰すほど盗みに盗んだ。

当時のボクの常識・・

盗まれる店が悪い（見張ってろ）！

そんなこんなで「万引きくらいで・・」と思っていたし
「ばれる方が悪い」と本気に思っていた。

そんなある日、同じ店で何回目かとのき、つまらないミスで（チョコ一つで）ボクは店に見つかった。
同じ時期に別の店で本も盗んでいた。コレも見つかった。
近所だったので、すぐ母さんに伝えに行った。

ヘラヘラとしていた。
また怒られればすむ。適当でいい。ウソつけばいい。
思っていた。
下を向いて、にやついて・・

「母さん、ゴメンまたやっちゃったよ・・・」

その日、母さんは怒らなかった
店に弁償し、言われたい放題だった。
母さんはうつむいていた。

夕方、母さんは言った。父さんもいた。

『警察に行こうね？付いていってあげるから』

ボクはパニクった。
警察なんかにばれてないんだ！？
警察はもっと悪いヒトだけ捕まえればいいんだ！
警察は適当にウソつけば子どもは帰してくれるんだ！！

「母さん・・どうして・・！？」

母さんは言った。

『そんなこともわかんなくなったんだね・・？』

母さんは泣いた。

母さんが泣いた！！

どんなときも痛そうなときも病気のときも、笑ってばかりいた母さんが泣いた！

ボクはなぜかそっちのほうがショックだった。
父さんもうつむいている。

警察には親が説明してくれたらしい。

ボクは万引きをやめた。
悪友たちの中には『親に言われたくらいで・・』と茶化す奴もいたが、やめた。
万引きは犯罪だった。

今、母さんに言っても笑い事ではないだろう・・。
母さんは「あの時ボクを本気で警察に渡す気」だったと思う。
今でもそう感じる。

ボクは今、娘の親である。
母ではないが親である。

娘が将来、些細なことだからと・・子どもだからと・・・言い訳したら、どうする？

答えは染み付いている。
きっと怒鳴りつけて、何回かには張り倒すと思う。
そして泣くんだ・・と思う。

悪いことは悪い！

何度だって言い続ける。

自分の失敗を包み隠さず話して、他人任せにはしない。多分・・。

ボクは娘の親だ！友達じゃない！

最近、子が親を殺す。
最近、親が子を殺す。
ということは毎日、毎日、何十万という親子が水面下で憎みあっているということなのか？

『また悲劇が・・なぜこんな事件が！？』

そんなことをマスコミは書き立てる。

『そんなこともわかんなくなったんだね・・？』

ボクは判るよ。
母さん、ありがとう。