MelancholyDampirの日記

ウツな人の独り言

子殺し・親殺し

コレはキツイ記事かもしれない。


『誰でもいいから殺したかった』

そういうコメント(もちろん経過は省略してあるだろうが)にいつも思う。



「まずお前が死ね!」


か、親か子を殺してみろ



言い過ぎではないと思う。
昔からあったろうが、今は特におかしいと思う。
「理由なき殺人・殺意なき殺人」・・オレがガキの頃予測して笑っていたことが、もう笑えなくなった。
こんなに早くそんな殺人が頻発するとは思ってなかったんだ。

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画像は「子を喰らうサトゥルヌス」・・。
わが子をいとおしむ余り、狂い、
ついには子を喰らうことによって「自らと一体化しよう」とした・・という画題であるらしい。


さて、昔話でもしよう。


ある日、オレたちは「やわらかそうな食べ物」を持ってダチの住むアパートを訪ねた。
「乳を離れた赤ん坊」なんか、何を食べるか、よく知らなかったから。


『オイ!!アカンボしかいねーぞぉぉ!!??』



ボロアパートの扉なんぞ、ガキ数人でも簡単に開いた。
タバコと酒が散らかって、シンナーか何か・・妙な臭い、親は確かにいない。

母親こそがダチだった。
彼女が「中学をドロップして母親になること」の決断を、オレたちは反対もしたが、結局応援する事にした。


あんなに可愛がっていたのに、なんだこの荒れようは?

考える暇なんかないもんだ。
アカンボが動かなねぇ!
そうとう乱暴に揺すったが、ピクリともしやがらねぇ!


『死んでんだ!・・死んでんじゃんか!?』



オレもダチもパニックになりかけた。

だけどな・・オレみてぇなボンボンと違って、ダチらは結構「こういう場」に慣れていた。


『まだ死んだって決まってねぇ!人工呼吸だ!』


『アカンボは強ぇんだ!そう簡単にぃ・・!』

オレにも散々質問が来た。

『お前ぇ!学校で成績いいんだろが!?何すればいい!?早く!?』


殺意がオレに集中する。オレは何て無力なんだ。ふと、叫んだ。


「心臓マッサージだ!呼吸を確かめながら!オレがやる!」


何も変わらない。何て小さいんだ・・アカンボは何もかも規格違いだ!
途中「ポシッ」と何かが折れたような音がした。
何時間も経った気がした。





『ん・・い、い、息してんぞ!?・・は、吐いたぁぁ!!』



アルコールっぽい臭いが更に強くなる。ダチが窓を全開にする。


『吐かせろ!全部だ!えーい吸い出せぇ!』



みんな汗やらゲロやら涙やらで、でも、そんなこともうどうでも良かった。

救急車が着いた。
電話がなかったから誰かが50円くらい握り締めて「公衆電話」に走ったらしい。

居るべきダチが戻った!
彼女も涙でひどい顔が更にひどくなっていた。

みんなつかみかかりたい衝動を抑えて救急車と彼女を見送った。

1週間もしたろうか?
彼女からみんなに話があるといってきた。

『行くか?オレは嫌だぞ・・あんなヤツ・・』

でも、行くんだ。
ダチってそういうもんだ。
また「よくわからない駄菓子」とかをぶら下げてアパートに行った。

彼女が土下座していた。

『・・オイやめろよ!土下座なんか、ホントにホントに「ココ」ってときしかしちゃいけねぇべ!?』
『そうだ・・お?アカンボ生きてるな・・もい良いよ・・いいんだ』
『土産あるんだ・・オイ!誰だ、酢コンブや梅干なんか!』

彼女は言った。


『アタシ、一人で育てるから!もう、逃げないから、生きるから!生き・・』


『泣かなくて良いべ?』
『そうだ!戻ってきたんだから、結果オーライだべ?』

聞けば、ダンナは逃げたらしい(確か相手は大学生だったよな)。

ダンナとは初めは良かったらしい(そりゃそうだ)。
すぐに浮気を繰り返し、彼女は「何もない」と凹み続け、ついに酒をアカンボに飲ませて飛び出した。

(今思えば・・アレはウツだったのか・・?)

が、やっぱりすぐ怖くなって、いや、アカンボが心配になって帰ってきた。

オレらは何となく居場所が無くなり帰っていった。
『・・誰がアカンボの肋骨折ったんだぁ!!』
なんてケンカしながら・・。




彼女は親に謝り(謝る必要も無いが)、実家から中学へ通い、就職した。
今は「長距離トラック」を転がして、日本を駆け回っているはずだ。



つい最近(1995だったか?)まで刑法に「尊属殺」というのがあった。
「親殺しは死刑か無期」といったきつい内容で、イエ制度の古い慣習だ!というので削除された。

オレは「子殺し・親殺し」のためにこそ、あえて「尊属殺」を残した方がいいと思っている。
なぜって・・
オレらしくないが・・


愛し、愛される頂点が殺しあったら、クニが殺してやるしか・・ねーじゃん

が、殺した「親」を子は待つだろうし、
殺した「子」を親は待つだろうしさ・・。

頭よくねぇから、うまく言えねぇなぁ・・。