MelancholyDampirの日記

ウツな人の独り言

慈善と偽善の境

息子を抱いているので記事が書けない。
ふと・・昔書いたモノを焼きなおした。
使い回しである・・。



ボクが小金持ちだった頃・・・。保護司にもボランティアにも手に余る、
そういう子を引き取っている神父?夫婦がいた。


何でも定年でえらい金が入り、やりたかったことをしてるらしい。

ボクの友人も何人か入れてもらい、足を運ぶようになった。

いっつも赤字。銀行も貸さない(いくらバブル初期でも、これじゃね)。
夫婦は募金を募り、ビラを配り、有力者や議員にも陳情した。議員は言った。

「何票持ってるの?」


「金か?やめましょう」ボクは夫婦とビラを配った。
厚生省、労働省自治省・・何か策を練った。

答えは同じ!
『そういうことは・・・を通じて・・・』

大抵、役人は手引きどおり答える。
「あんた全体の奉仕者!?」ドス声で聞いてみる。

『はい?』
「はい?じゃねえ・・・」









憲法前文!14および25条!!


ボクは電話を切った。


間もなく、みなしごの家?は破産し(とっくにそう)抵当を執行された。
皆、外でテントで生活していた。 子ども(庶子)がボクに聞いた。

『兄ちゃん?何とかして?』
「・・・」
『兄ちゃん、何でも教えてくれたじゃんか!』
子どもは増える・・・
「・・・うるさい・・・どうにもならない」
『俺らどうなんの?』
「施設もムズイかんな?・・・」

『死ぬの?みんな・・?』


「賭けてみるか・・」
『何!!??』

「いや、なんでもない・・・」


ボクは300万ほどの全財産(それこそ血と汗の・・・)を夫婦に渡した。

「・・・にいい土地と大きな中古住宅がある。条例もパスできる・・初動資金として使ってください」


『!!こんな!いや・・受け取れませんとはいえません・・ありがとう・・・』






しばらくして、そこに行ってみた。


(何だ?そのままじゃないか?ひとけもない・・・やられたか・・・)



元の場所にいくと、1人だけ子どもがいた。(餓死か?まだ生きてる!)

水を飲ませ、変なものを吐かせ、腹いっぱい食べさせた。

「どうなったんだ?」

『じいもばあも、急にいなくなった。みんな、少しずついなくなって・・・』

泣き始めた。ボクは抱き始めた。そうするしかなかった。


「汚いのと臭いの、大丈夫か?」
『うん!』
「生き抜いてくれるか?」
『うん!』


知り合いのホームレスに少し金を渡し頼んだ。 子に見放された子ども好きのジジだ。

『おい!?てめえでつくったら、てめえで育てなきゃ・・・違うのか?』


「育てられるかい?」

『金なんぞいらんわ・・・1人も2人も変わらんわ。任せろ・・。いい目だ・・』

「立派にしなくていい・・」


『くくく・・・やっと子どもが出来たよ、さ、メシ探しだ』




『うん!』


ジジは死んだろうが、あの子は生きてんだろう。

他の子はどうしたんだろう? ガラにも無いことしたから罰があたったか?




いまでも夢に見る。あの場所、あの家・・・。ちくしょう。

金なんぞ要らんがな・・あの夫婦・・命より金か? いや正気に戻っただけか。

あの夫婦、結果は偽善だが、しないよりはましだったか・・。

そう・・しないより、してから裏切っただけだ。
生ききっていない前に死ぬより、よほど「あの子たち」のためにはなったはずだ。







でも吼えてみた。

「謀ったな!!シャア!?」



「ボクが坊や・・だからさ・・」