MelancholyDampirの日記

ウツな人の独り言

バレンタインデイ

もうすぐバレンタインデーである。

小学生のときはポストに入れる音がするたびに飛び出していた。
オレにくれるのは母親とミキちゃん(おさななじみ)だけであった。

物音とともに飛び出す!
今思えばすごい持久力と妄想力であった。
そんなにうまい話、あるわけないとは判っていた。
カタン」そりゃ!!
オレだオレだ!!!


「あ、夕刊・・ごくろうさまです」


それか、『これ、弟の○君に渡してください・・!』と走り去るかわいい女の子!たち!

ご丁寧にフルネームを告げて


『義理じゃないですって言っておいてください』



それが一人ならまだしも、数十人いたのである。
小学校で、すぐ下の弟の分。
家ではその下の弟の分。

そしてオレは物覚えが悪い。

弟が怒る怒る・・。

『名前が判んなきゃ、お返しのとき困るだろ!!』



「ナオちゃん・・とユカ・・ユカリだったかな・・?」


『苗字が判んなきゃ、どの子だか判んないだろ!!』



もう、こんな日、国会で消滅させて欲しい!と落ち込んでいるときに限って、オヤジが早く帰って来て


『今年はこんなにもらったぞ!?オイ、もらえなかったなら、やるぞ!?』



オ、オレはイヌじゃねぇ!!ヒトとしての誇りと・・


が、結局もらって食べた。イヌである。
ミキちゃんのお手紙(義理)も何年もためていた。



そんなことが何年も続くうち、バカらしくなっていった。

バレンタインは欠席もせず(あえて忘れていた)、普通に行っていた。

神様は平等であるが卑怯である。
高校になって「もてる時期」をくれても困ったのである。

オレは普段の素行がばれないように、大人しくしていた。
当時の彼女が死んでからは「高校は卒業するだけ」と思っていた。

そういうときに限って、
『○君、映画とか好き?帰り、観にいかない?』
とか
『○君、彼女っていないの?』
とか・・


オレは同じ学校のヤツとは面倒くさいから、男女問わず、深く関わってなかった。
かと言って、淋しいものは淋しい!
何か女性の写真の一枚でも持っていたい。そうも考えていた。

オレのホモ説が消えかけた頃、別のうわさをある女から聞いた。

『○君・・年上のキレイな彼女いるんだってね?』
『女嫌いなんて、大嘘だったんだ!イメダウ!!』
『定期入れに、彼女の写真入れてるでしょ!』


『ハダカみたいなの!』



(は、ハダカぁ!!??)




帰りにバイトに行く電車の中で定期を覗いた。



あ・・コレね・・?





当時アイドルから転身して、AV業界(古い!)を騒がせた女優の写真が入っていた。

オレは何となく気に入って、友人に頼んでパウチッコ(古い!)してもらっていたのだ。

オレは高校での生活に女は要らない!と恰好をつけて、こじつけて卒業した。

が、在学中の3年間はバイトでは、もてた!










同性(店長とか年上とか)に!





『お前、色白のわりに、妙に男らしくて良いよ!』

「ハイ、ありがとうございます!」

『ところで今度、ドライブでも行かんか?』

「あ、オレ旅って大好きです!箱根なんていいですね!?」


『温泉・・?泊まり・・も良いって事か・・?』

つばを飲み込んだ音とともに、一人の男が男として欲情しているのであった。

浴場で欲情・・今でも笑えない話である。

そういう思い出が多いバレンタインデイ・・


今年こそは「娘から」と期待をしていた。
娘の愛しの君は、いまやアメリカ・・ざまぁみろ!アメリカ万歳!

さっき娘に郵便物を頼まれた。

「なにコレ?」

『引っ越す前に住んでたとこのケント君に送るの!』


・・・・この前、イオンで選んでいたミニカーはオレのじゃないのか・・。


消え失せろ!2月14日!!



誰か・・オレにバレンタイン下さい。