キャットフードはなぜ美味しい
独身の頃、買い物が面倒だった。
24時間勤務の変わったシフトであったので昼夜が逆転した。
仕事から帰ると昼過ぎ。
一眠りすると夕方か夜。
24時間勤務の変わったシフトであったので昼夜が逆転した。
仕事から帰ると昼過ぎ。
一眠りすると夕方か夜。
当時は札幌であったが、札幌市の地図に載っていない札幌であった。
だから徒歩圏にスーパーなどない。
だから徒歩圏にスーパーなどない。
何か一品・・生卵、スクランブルエッグ、野菜炒め・・。
一念発起して、買い置きをするようになった。
冷蔵庫も独身とは思えない充実ぶりになり、少し余裕も出てきた頃。
冷蔵庫も独身とは思えない充実ぶりになり、少し余裕も出てきた頃。
とウキウキブギウギになり、スーパーに出かけた。
輸入食品ばかりの高そうな一角に「おしゃれな缶詰」があった。
輸入食品ばかりの高そうな一角に「おしゃれな缶詰」があった。
「ラ・デリカキテン?」
何語かわからないがフランスかそこらの(どこのそこらだ?)雰囲気があった。
ラベルには輸入元の大手商社しか手がかりはなく、
とりあえず「1缶550円」というサイズにしてはあり得ない金額に納得した。
何語かわからないがフランスかそこらの(どこのそこらだ?)雰囲気があった。
ラベルには輸入元の大手商社しか手がかりはなく、
とりあえず「1缶550円」というサイズにしてはあり得ない金額に納得した。
カクテルもそこそこに、やっぱり冷凍ごはんを温めて、上にかけて食べた。
「待っていろ、フレンチの坂井!」
と1人で息巻きながら、感心して缶詰を見た。
デリカキテンをもう一つ買って来よう。
デリカキテンをもう一つ買って来よう。
暫くして、売り場にあったはずのデリカキテンはあるコーナーに移されていた。
そう、大袋入りの犬猫コーナーである。
その片隅にデリカキテンの缶詰・・と同様のオシャレな缶詰の上には手書きのPOP。
そう、大袋入りの犬猫コーナーである。
その片隅にデリカキテンの缶詰・・と同様のオシャレな缶詰の上には手書きのPOP。
ソコで「何だコノヤロ」と止めれば人間だが、ボクは美味ければよかった。
小心者なので必要も無い「ネコのおしっこシート」も買って帰った。
やっぱり美味しく食べた。
どうやらキテンはキトゥンのことであり子猫用であったらしい。
小心者なので必要も無い「ネコのおしっこシート」も買って帰った。
やっぱり美味しく食べた。
どうやらキテンはキトゥンのことであり子猫用であったらしい。
犬用のゲインズをモリモリ食べていた少年時代を思い出していた。
あの頃は勇気試しだったが、キテンは積極的に食べた。
あの頃は勇気試しだったが、キテンは積極的に食べた。
後日、キャットフード(犬用も然り)は人間が試食していることを知った。
味にうるさい開発担当の美食家が、栄養バランスの専門家と侃々諤々して商品化されるらしい。
味にうるさい開発担当の美食家が、栄養バランスの専門家と侃々諤々して商品化されるらしい。
キテン(しつこい)はアニマルパートナー先進国の商品であったのだろう。
あんな薄味で、あんなに美味しいものは人間界では豆製品ぐらいである。
あんな薄味で、あんなに美味しいものは人間界では豆製品ぐらいである。
キャットフードのコーナーを見ると「美味いんだろうなぁ」と思う。
ただ、あの頃のように贅沢は出来ないから買わないだけである。
ただ、あの頃のように贅沢は出来ないから買わないだけである。
そういえば時々見かける。
犬猫は毛のつやがいいのに、飼い主は栄養不足っぽい・・というのを。
まず飼い主が健康であって欲しいとひそかに願っている。
犬猫は毛のつやがいいのに、飼い主は栄養不足っぽい・・というのを。
まず飼い主が健康であって欲しいとひそかに願っている。
とりあえずペットフードを一緒に食べれば良いだけの事であるが。