東京なんて田舎のクセに
東京には(特に特別区)江戸っ子は少ない。
父親も東京!というのからして少なく、じいさんも東京となると激減する。
東京のアパートに住んでます♪と言っても、地元民かどうかは甚だ疑わしい。
渋谷でたむろしている20代の終電が早いのも、上京だからである。
無論、上京して、東京人になれなかったボクのひがみである。
エスカレーターのルールが判らなくて、階段ばかりを使った。
別に急がないので、乗換えで「階段がない」なんてのは泣きそうになった。
全くあの歩く速さときたら、とても便意で逆行できるものではない。
朝、キップを買おうと改札近くで立ち止まろうものなら総スカン、非国民扱いである。
渋谷はどっちでしょう?とぽかんと上を見ていれば逆方向の列に巻き込まれ強制乗車。
そのくせ各駅停車に乗れば「各駅が最寄」というエセ東京人だらけでやっぱり座れず。
塾帰りの子供と酔っ払いが同じ車両でメールしている、なんだこれ?な光景。
ピーン!ってボクだけ改札通過不能!?
貴重な改札をひとつ止めてしまい、残額不足とやっと気付く。
自動改札横の駅員に「追加してください」と千円渡せば、更に原始人扱い。
と、地下鉄を降りて「8番出口」を探すが、歩いているうち8番の表示だけが消え、
近いから9番でいいだろ?と思えば、全く不親切な位置でお外に出される。
高い建物を口をあけて見ていれば、後ろから佐川急便にクラクションを鳴らされ、
よければ良いんでしょ?と歩道を探すが、そもそも歩道など存在しない路地ばかり。
歩行者しかいないとこならOKだ、と原宿に行けば、人混みで酔い。
路地で一服すれば「コレ試さない?」とオレンジの錠剤を売りつける日本語の上手い黒人。
ロックな店に入れば韓国人と中国人がどっさり。
結局、明治神宮に向かうじゃり道をあてもなくさまようのが決まりパターンなのである。
そして「原宿駅に戻れず」なぜか帰りは渋谷駅から乗り込むのである。