MelancholyDampirの日記

ウツな人の独り言

スポーツクラブに何を託す?

太っていた。

正確には過食で太っていた。
メンタルなものなのだが、ボクには自覚がなかった。
単純に運動をしようと思った。
食べ物を減らすのは「飢えた経験がある」人間にはきつい。

初めはジョギングをしたが、体重と重力は比例して、ヒザの古傷をいためた。
おまけに貴重なNB1300(スニーカー)をダメにした。
ポールスミスの愛用だそうだが、彼も大して走っていないと見た。
何で車があるしバスもあるのに走っているのか?バカらしくなってきた。
駅伝やフルマラソンを走って感動した話を聞くが、多分ガセネタだと思う。
寒いから・・とか、雨だから、風だから・・。
そんなハメハメハなスタンスでは痩せないと思った。

だから、スポーツクラブに行った。


『入会金○千円で初回の方は・・』



散々動かされて、汗をかいて、息が上がってまで金を払う。
なんてバカな仕組みだろうと思った。


「勝手にやるからお試しにしてください」


受付嬢は嫌な顔をしていたが、さっさとジーパンにTシャツでジム?をやった。

サロンよろしく、皆、運動しながら良く話す。
『いやぁ○さん、今日は足を鍛えようかと思って・・』
『やっぱり急がず休ます、継続は力ですね』
『私も孫と遊ぶために鍛えてますよ。今日は50キロ持ち上がるかなぁ・・』
『エアロビが呼吸に良いらしいですね?○時からレッスンですよ?』

覗きにいったら、中高年が「素敵な笑顔」で息を切らせてハッスルしていた。


あの顔・・全部・・ナシだな・・

何というか、断末魔みたいな笑顔ってあるんだなぁ。
こんな近くで、好きなB級のホラーを見られるもんだなぁ。

ボケッと汗を拭いていたら、インストラクターが話しかけてきた。


『お、もう筋肉は出来てますね!?あとはしぼりですね!?』


話している間、変なポーズをやめない。
何だコイツ・・動いてないと死ぬのか?

昔、オヤジに「プロポーズって何だ?」と聞いたら
オヤジは『かっこいいポーズをして、認めてもらえたら結婚できる』と言い放った。
そして、オヤジは、ゴリラから教わったみたいなポーズをしてニヤリと笑った。


オフクロはアホか・・?


その両親から生まれて育ったから、ボクはバカで良いんだと妙に納得した。

さて、インストラクターの暑苦しい話をさえぎって聞いた。


自衛隊に入りましょう!?」


お兄さんはギョッとして、絶対に嫌だ・・みたいな涙目になった。
戦うための筋肉であって、セックスアピールなら人間である必要がない。
筋肉に惚れるようなら大した女じゃないし、筋肉に頼るなら大した男じゃない。
あまつさえ鏡を見て自分に惚れているなら、迷惑にならないトコでやって欲しい。

だからスポーツジムは嫌いである。
「運動している自分が好き」なら、別にその辺を早足で散歩すれば良い。
金を払ってまで、皆で仲良くやる必要は皆無である。

最近、またお試しをしてきた。


『決意が固まりましたか?』



例の兄貴がさわやかにやってきた。

自衛隊旭川の師団が縮小されるんで、札幌ならすぐになれるみたいですよ?」
と話したら、また涙目になっていた。


「決意が固まりませんか?」



畳み込むのもかわいそうだが、嫌いだから仕方がない。

『死ぬのは嫌じゃないですか・・・?』



筋肉マンが怖がるんじゃねぇ!



エアロビとかボディビルの大会に行って、片っ端から自衛隊に入れたら良いと思う。
なんなら「エントリー用紙」を複写にしておいて「入隊願書」にしてしまえば良い。

自衛隊幹部から聞いた。
最近は大卒とか、頭でっかちが多くて(どこもそうだが)困っている。
「筋肉バカ」が欲しいそうだ。

難しそうだ。
冷暖房完備でいつでも休憩できる、訓練などないし、戦場はもっとない。

あのジムには、ギャラリーがいないと鍛えないヒトが多そうだ。
という訳で、ボクは家とその周りでコツコツ運動している。
1ヶ月で15キロ痩せて、慌てて甘いものを食べている。

ウツの薬は、体重の増加が副作用のものもある。
が、それは重症で緊急入院させる程の患者に処方する量(1000ミリとか)の副作用である。
日常の投薬で太っているならば、やっぱり自己責任なのである。
運動できないのは、波がきついときは当たり前である。
少しずつ・・「急がず休まず」とはそういう意味であろうと思う。