MelancholyDampirの日記

ウツな人の独り言

スカートめくりとカンチョー

タイトルを見て「シモネタの書庫だろ・・」と思った。
が、書庫とかの変更が面倒くさい、のでこのままいく。
5月病の季節であるらしい。
新入社員は会社って何だ?と余計なことを考え、
進学した中高生は勉強や、新たなイジメやいじめられ、に鬱積している。
毛も生えたのにご苦労なことである。
高校生になると「誰とどう付き合おうか?」ということを考えるらしい。
ここ旭川でも女子高生の話題といえばソレだけらしい。
最近はひとりガストをしていない・・そういう話題がどうにもコーヒーに合わないからである。
いや、格好つけました、間違いです。
高校生のときにそんな話題で盛り上がれることが、つまりは、若さがまぶしいからである。
皆さんはいかがお過ごしだろうか。
 
さて、5月となると「スカートめくり」である。
ボクが小学生のときは、既に流行っておらず、学校ではタブーであった。
ボクと数人の友人は、揃ってオバカさんで、永井ダイナミックプロにかなり毒されていたので、
スカートめくりは男の社交辞令でありロマンであると信じていた。
無論、いきなりスカートなどめくらない。
まずは礼儀として「カンチョー」をしてリアクションをうかがうのである。
そんな礼儀は今まで生きてきてとんと聞かない。
おそらく、礼儀でもロマンでもなく、ただの非礼で野蛮なHな大バカヤロウであっただけである。
 
カンチョーはご存知の通り、「忍術!」みたいな手の形をして、人差し指に全霊を込めて「放つ」のである。
片手でダメなら、両手をしっかと組んで、人差し指が折れようとも任務完遂を願って放つのである。
スカートは布の摩擦で、指が丸め込まれ、急所はおろか、自分の指も危うい場合が多い。
そこで、まずは男子同士で慣れた手つきでカンチョー合戦をするのである。
不用意に背中を晒すと、すわ!とカンチョーの嵐が飛んでくる。
ボクはいっつもジャージであったので、かなり集中して喰らった。
カンチョーをもう勘弁・・ともらって、失意のうちに自分のイスに座るとイスが引かれる。
あぁっ、と言う間もなく、リノリウムの床で尻をしたたかに打つ。
よほど運が良くないと、肛門はおろか尾てい骨がどうにかなる。
策士の中には「尻餅をつくであろう場所」に画鋲を置くツワモノもいて、これにはほとほと参った。
もう書いていて、尻がムズムズしてきた。
が、カンチョーも、する方にもリスクがある。
肛門と尾てい骨の間に、鉄壁とも呼べる場所があり、ここに渾身の「どどん波」を入れてしまうと大変である。
つき指くらいで済めばもうけもん、ぐらいの鉄壁で、指を脱臼・骨折して早退した友人は多い。
指を確実に肛門に打ち込むには・・ヌヌヌ・・・深いぞ。
ボクらはくだらないこと・・とは誰も考えずに日々特訓した。
 
「コレがスカートだとするよな?」
『どりゃあぁぁ』
『いかんわ、それじゃスカートにくるまってしまいだべ・・』
「ジャージとか短パンの女子に絞るか?」
『それじゃ・・○田とか○山とかしかいないべ・・』
『金もらっても、カンチョーしたくないなぁ』
(心底失礼な発言である)
「一人がスカートをめくって、ひとりがカンチョーするか?」
『おぉぉ!チームだな?』
『つまりはプロジェクトAだな?』
 
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こういう日本の子供の底知れなさを知っていたら、ジャッキーも日本に「ヒット御礼」には来なかったと思う。
が、ジャッキーとスタローンから「特訓の素晴らしさ」だけをボクらはきちんと学んでいた。
投げたバスケのボールの「印」にカンチョーを打ち込んだり、
体育で走り回っている間に、誰かを標的にして肛門をひたすらに追っていた。
ホモとしては涙ぐましい、子供としては何の得もない血のにじむような特訓を重ねた。
 
そのうちに友人のひとりが奇妙な指の組み方を聞いてきた。
ココで具体的に書いて「被害者」が出ても困るので書かないが、とにかく強固な組み方なのである。
友人は「これが「後家殺し」じゃ!」と言った。
『ごけごろし、かぁ、ゴケってなんだべ』
「知らん・・知らんけど、強い女で、そんな女も殺せるって大技だ」
『ゴケって強いのか?』
「うちの近所に「いかずゴケ」って呼ばれてるヒトがいるけど・・強そうだ・・」
「後家殺し」は、一度組むと、ひとりでは外せないほど指がしっかと組まれる。
奥義を示した友人が、別の一人に標的になるように命じる。
ひとりが逃げていき、後家殺しの彼がソレを追っていく。
固唾の呑んで皆で見守る。
逃げた一人は生意気にジーンズをはいており「守りは堅いぞ!」と挑発しながら逃げていく。
「後家殺し」がひるがえる。
 
「ひいぃぃぃいや・・あぁぁぁぁ・・」
 
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ジーパン野郎は、性別不明の奇声を発して肛門を押さえて震えていた。
どうやら泣いているらしかった。
奥義を繰り出した彼も、生意気に肩で息をしていた。
慌てて皆で駆け寄る。
「おい、大丈夫か・・」
「おい!」
『大丈夫じゃないから泣いてんだべ・・』
肛門を押さえた彼は鼻水を垂れながら大きくうなずいていた。
「指はなんともないのか?」
奥義の彼は、なんともいえない顔をしていた。
「どうした?また骨がずれたか?」
『いや・・』
「どうした」
「どうなんだ?」
『指が・・ウ○コ臭い・・』
皆がその場から後ずさり、やがて好奇心から一列に並んで順番を待った。
奥義を放った指に皆が興味津々であった。
「・・ウ○コだ・・」
「ウ○コの臭いがする・・」
ジーパンをもってしてもコレか、恐るべし後家殺し!と皆が喝采した。
 
保健室で被験者の回復を待って、昼休みに一斉に後家殺しが解放になった。
あっちこっちで上がる悲鳴と怒声と性別不明な奇声。
後家殺しの前には、もはやスカートめくりは無用であった。
小学校の生徒に後家はいない。
結婚はおろか、契りや初潮もまだの、うぶな女子たちに、ボクらは奥義を放っていた。
あぁ、この場を借りて陳謝したい。
 
放課後にボクらは生徒指導のおっかない先生からげんこつをもらっていた。
余りに痛かったので、一人が奥義を放ってしまった。
 
「あいやあぁぁぁぁ・・」
 
生徒指導のハゲは、国籍不明の奇声を発して肛門を押さえて震えていた。
「先生!泣いてますか?」
『先生!泣いてもいいですよ?』
「先生!先生の・・ウ○コ臭いですよ?」
 
ほどなくして「カンチョー禁止」というオフレが出た。
ほとんどの生徒には何のことやらであった。
 
ボクらはそれ以降も特訓していた。
 
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蛇拳に勝つのは後家殺ししかないな!?」
『次に訪日したときがジャッキーの命日だぜ!』
「後家殺しは「何モンキーで何拳」になるべ?」
 
しばらくジャッキーは来なかった。