MelancholyDampirの日記

ウツな人の独り言

エアジョーダン90年前半バブル崩壊

バブル崩壊はいつだったか。
90年代とか、93年前後とか適当に濁される。
『ワタシいくつに見える?』
と問われたときの
「30代前半?」と同じで、即答して当てたくないし興味がないので濁すのである。
38!などとズバリ当たれば良いが、43!とか、当てに行って上に逸らすと大変なことになる。
 
あの頃は、物価の高騰もあったが、基本的に不動産のみのバブルであった。
不動産が住むところではなく、投資の対象になった。
億ションとか、7千万の一戸建てとかをサラリーマンが買っていた頃である。
株価も高騰したが、不動産ほどではなく、トレーダーは素人が消え去るのを待ったと聞く。
 
ボクは、崩壊は92年だと思う。
古着屋でバイトをしていたから憶えている。
年代モノのTシャツが300円でも売れなくなり、
ジーンズやスニーカーは一か月分の給料ぐらいに跳ね上がった。
アメ横のパイナップルが300円になったり、おばあちゃんが歳を大幅に間引くようになった。
不動産だけでなく、いろんな価格・算定が壊れたのである。
給料や土地評価が「元に戻った」のではなく、壊れたのである。
 
エアマックスという黄色と灰ネズミ色のスニーカーがあり、これが奇妙でどうしようもなかった。
15000円もするくせに、ただのスニーカーなのだ。
エアというのは底に空気が入っていたからである。
透明な浮き輪のようなのが、スニーカーの窓からのぞいており、
その近代的で、前例のないデザインが受けた・・らしい。
納得がいかなかった。
「エア」を先にとられた他の靴メーカーも我先にと、色んなイロモノを出した。
リーボックは指でシュコシュコ空気を入れられるインスタポンプを出す。
空気が入っていく様は、いにしえのダッチワイフを彷彿とさえ物悲しさもあったが大受けした。
後に、黄色と赤と黒リーボックが出て、誰がこんな色を履くんだと呆れたら、
 
香港返還記念!ジャッキーチェンモデル!
 
と銘打っていたが、香港とジャッキーは判るが、スニーカーが意味不明であった。
ジャッキー世代のボクとしては、欲しかったがやめた。
ジャッキーの歌うレコードは持っていたが、何でも良いというわけではないのだ。
リーボックは、エイリアンのリプリー氏が履いていたり、
若くして恍惚になったマイケル?Jフォックス氏がバックTOザなんとかで履いたりしていた。
若い小金もちはみんな同じのを欲しがった。
プーマはディスクというのをつけた。
フィット感を取るか、近未来を取るか?
どっちだ?どっちもでしょ?である。
足の甲のディスクを巻くと「キリキリ」と足が締め付けられるのだ。
不愉快であった。
が、若い小金もちはみんな同じのを欲しがった。
アディダスは足の甲に「デジタル歩数計」をつけた。
立ち止まって屈まないと表示は見えないのだ。
雨の日は注意。履くな。
もはや、スニーカーではない。
が、若い小金もちはみんな同じのを欲しがった。
大阪では、ドカ買いをするのですぐに在庫が枯渇した。
東京を目のカタキにしているので連携はない。
結果として「売れ残りのジャイアント馬場サイズ」を売り出した。
 
足をバフバフさせて歩くのがかっこええんや!
 
 
皆が馬場。
足だけ馬場。
明らかな間違いであった。
 
 
スニーカーは社会現象にされた。
寺門ジモンさんだとか、アンダーカバーのデザイナーが褒めたりして価格は上がった。
10万とかが、どんどん店先からはけていくのである。
アメリカ(ロス)のリサイクルに行き、100ドルで仕入れる。
それを5万で売れば飛ぶように売れる。
日本に限っては、世の中は不況だったのだ。
それでも若者は万札を握って、ビンテージを漁った。
なんとも世紀末な感覚であった。
スニーカーはどこまでも品薄になった。
猫も杓子も・・・当たり前で、猫もエアを履いて歩いていた。
杓子もエアマックスとセットで売っていた。
 
 
ボクも個人的にスニーカーは大好きだ。
古着屋で「バブルの残滓」を見るのは好きだ。
あの黄色いエアマックスがソールも無残に壊れ、5000円とかで売っている。
それでも5000円をとるところを見ると、店主がそういう世代なのだ。
 
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エアジョーダンというのがある。
生きて神になった、バスケのマイケルジョーダンが履いたシューズである。
バスケは白を履きましょう、という時代に「オレはブラックだ」とジョーダンはこだわったという。
多分、ジョーダンの冗談か、スポンサーのウソである。
ナイキが大金を払って、宣伝のために履かせただけであろう。
しかし・・・
ジョーダンはコレを履いて、記録を更新し続けた。
そしてオリンピック。
アメリカ中の精鋭を集めたドリームチームがみんなしてジョーダンを履いたのである。
バルセロナ五輪。1992年。
悪夢の歳だった。
ジョーダンのシリーズ最新Ⅶは全く仕入れがきかなくなった。
ニセモノが中国で精巧に作られ、ニセモノだと云うと
『ホラ、エア、はいってるよ』と切り裂いて見せた。
エアじゃなくて、色が違うのだが、そういうことは気にしない。
本家のナイキも、野放図にした。
ジョーダンのスニーカーは、伝説のファーストモデルが10万を越え20万を越えた。
画像のは青黒と呼ばれ、値段は付かなくなった。
「参考商品」として飾っておくだけのものになった。
風俗で可愛い子が店頭で呼び込みをして、中にはいない、そういうことだ。
ソレでも『100万で売ってくれ』という猛者は多く、困った。
 
今は、2万も出せば買えるらしい。
それでも2万か。
 
盛者必滅会者定離
たけきモノもついには滅びぬ。
バブルは泡と消えるかな。
 
今はバブル前だと個人的に思う。
アベノミクスとか言っているが、要は吊り上げだ。
首相が国家をあげて地上げをしているだけだ。