穴のあいた靴下

穴のあいた靴下って捨てますか？

ボクは見捨てない！

穴があいたくらいで、たかが「親指とかその辺」がチョコッとである。
そこだけ縫えば「一軍復帰」である。

妻は言う。

『そんなことしてないで捨てればいいしょ？』

ボクは貧乏性なのでつい、屁理屈をこねる。

「指を一本切ったからって、腕全部、両方捨てるのか！？」

「ソレは靴下への冒涜だ！・・だいたいココまでやってきた戦友をだな・・」

「私はもうダメです、軍曹だけでも生き残って・・」

「バカ野郎！死ぬときは一緒だ！傷は浅いぞ！」

「自分だけこんな惨めな姿で・・」

「何をこの！バシッ！貴様は生き残れ！コレは命令だ！」

「軍曹ぉぉぉ！！」

・・とかブツクサ小芝居？をやっているうちに
妻は・・と（勝手に言ってろ）みたいに消えていく。

今日も靴下に穴があいた。

「傷は浅いぞ・・！」

「ムム・・ヌヌ・・」

既に何度も縫った後だった・・・。

まだだ！やれる！

とりあえず、臭いがきついので洗濯してから考えることにしよう。