順番には来ない

転地療法で世話になりっぱなしだったヒトが死んだ。

「寿命」で片付けるにはあまりに乱暴で、
「急死」で納得するほどボクは利口ではない。

やっとたどり着いた、忘れられない、その間取りのその位置にそのヒトはいた。
ゆっくりモノになっていくのを楽しんでいた。

ボクの手は相当冷たかったはずだ。
でもあっちの方が冷たいんだ。

埋められない距離。
内側から来る痛み。

全く時期を同じくして、娘が妙な肺炎で入院となった。
続く検査・検査・検査。
眠れない娘。
どうしようもできない妻。
どうにかできると信じる妻。

「いい顔だったよ」
『いい顔になってきたよ』

メールで伝わる短い会話。

ウツ人で良かったと思う。

素足の靴底の砂が、もっと増えれば良いと思えるようになった。

４日寝ていない。
好きで寝ていないだけ。

眠ったら、大事なもの見落としそうな気がしてさ・・。

順番には来ないもんさね？
いいさ。
頭悪いから、順位なんてつけられない。
ボクのできること、できること、ソレが今の生きがい。