Fascia
面接が終った。
どうも混沌として、変な次元に行きそうだ。
どうも混沌として、変な次元に行きそうだ。
最初に乱筆を断っておく。
1時間
沈黙は多く
聞いていたはずだ
互いの刃が軋む音
沈黙は多く
聞いていたはずだ
互いの刃が軋む音
何も生まない話し合い
声が怒りを呼び
視線は身体を突き抜け
すれ違い歪む心
声が怒りを呼び
視線は身体を突き抜け
すれ違い歪む心
跳ね返される
自分の声
グソドセとゆれる木の音
揺れる木も必ず倒せとトキの声
自分の声
グソドセとゆれる木の音
揺れる木も必ず倒せとトキの声
なぜ刃を使わない
押してだめなら斬り刺せ
多勢に無勢何を今更
刺し違えても死なない死ねない
押してだめなら斬り刺せ
多勢に無勢何を今更
刺し違えても死なない死ねない
一筋の白い光
あるいは通る声
あるいは美しい笛の音
刃は切りあうものではない
あるいは通る声
あるいは美しい笛の音
刃は切りあうものではない
あったのは存在
なかったのは魂
天使にも悪魔にも
何ら相違はなかった
なかったのは魂
天使にも悪魔にも
何ら相違はなかった
何かが強く吹き抜けた
妻が呪文を言い終えた
あれは風
いえ太い糸
確かに細い帯
・・・・・・・
妻が呪文を言い終えた
あれは風
いえ太い糸
確かに細い帯
・・・・・・・
怒りを失った声
妻の横顔を走る視線
妻の横顔を走る視線
見たことのない横顔
怒りも憎しみもなく
見えるのは憐憫
救いよう無きこそ救え
怒りも憎しみもなく
見えるのは憐憫
救いよう無きこそ救え
原始女性は太陽であった
更に子を産み育てた妻
誰も届かないその表情
怒るべきはどこにもなく
憤るべき何者もなく
涙は流すものではない
ただ温かい泉からそよぐ風
誰も届かないその表情
怒るべきはどこにもなく
憤るべき何者もなく
涙は流すものではない
ただ温かい泉からそよぐ風
壷の底には希望があった
パンドラの遺した贈りもの
パンドラの遺した贈りもの