MelancholyDampirの日記

ウツな人の独り言

荒れる成人式?

成人式は「1月15日だ!」という固定観念があるので、今日はきっと成人式だ。

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数年前から、新成人が会場で暴れ、市長などに暴言を吐き世間からバッシングされた。
『厳粛な成人式で・・』『こいつらの将来が心配だ・・』
『教育はどうなっているんだ!?』

これらのコメントから見え隠れするのは
「自分たちが出席している間ぐらい大人しくしろ」という世間体であり、わがままである。
偉そうな来賓にも少年時代から成人への過程があって、ソレを忘れただけである。

ボクは思う。

成人の日は「何でも大目に見る日」にしよう



今の成人は子どもに毛が生えたぐらいで、実際に下半身に毛が多い。
ソレをある日突然「大人になれ!」といわれても無理難題である。
ボクなど『もっと大人になれ!』と始終言われているが、大人の意味は未だに判らない。
大人とは「その組織、社会、地域の型にはまった使いやすいヒト」の意味である。
その「型」は以外にきつく、そして堅い。 
「型」にホイホイとはまってしまえればラクなのであろうが、ボクは出来なかった。


ボクが中学生の頃、(大)先輩達が成人式を前に、派手に準備していた。
シャコタンを成人式仕様に塗装し、羽織袴も特注していた。
高卒、ともすれば中卒から社会人として働いてきた先輩達には「晴れ」の大舞台なのだ。


『ぜってぇー一番目立つぞぉ!』


『良い女たくさんつかまえるべ!』


『○連合にはぜってー負けねーからな!』



当日、会場は着物やスーツで溢れていたらしい。
そんな中に「デコトラ」で踊りこみ、工藤静香を大音量で流したらしい。
髪型はみんな「湘爆の江口」ばりのリーゼント。
髪の色は、それぞれ占いで決めたラッキーカラー(ココはカワイイな)であったらしい。

市長や来賓の言うことも聞かず、シュプレヒコールを叫んでいたらしい。


『俺らはとっくに社会人だぁ!』



『なにを皆、かしこまちゃってんのを!?』



『今日ぐらい、はじけよーぜぇ!?』



そして、警官や警備員に大人しくするように言われ、ソレからはじっとしていたらしい。

帰ってきた先輩達は「溜まり場=工場」に顔をそろえ、しんみりしていた。
工場のオヤジに呼ばれてボクも顔を出していた。
タバコを吹かしながら先輩達は言う。

『成人式ってなんだ?』
『俺らはバカ扱いかよ・・』
『親の金で大学行って・・良い服来てよぉ』
『お前、良い女いたか?』
『そんなんより、着物に目が行っちまった』
『さて、今さらだけど、酒でも飲むか・・』

『今さらだな!?ビールぐらいあったか?』

『いや、明日は仕事で早いからな・・』
『そうだな・・』

何だか、つまらなそうな、それでいて社会人としては立派な大人であった。

工場の社長が裏から出てきた。

『成人式になんてツラしてるんだ!?』


『どうだ?バリバリに目立ってきたか?』


先輩達は、お互いに目を合わせ言った。

『目立ってきました。でも、何か俺ら浮いてる感じで・・』


『今夜はお前らの晴れ舞台だ!』


皆、??という顔でお互いを見た。
社長は家の中に皆を招きいれた。
奥さんと一緒に酒やら寿司やらをどっかり注文していたらしい。

『社長?・・明日は早番じゃぁ・・?』
『オレも明日は千葉まで現場で・・』
『オレは未成年だから・・やばいっすよ』

次々に口にする先輩達。 だが、皆、嬉しさが顔ににじみ出ていた。
社長は言った。

『全部、調整はしておいた。今日のために皆にはきつい日程だったな・・スマン』
『さぁ、飲め!食え! 明日は倒産するかも知れねぇしな、ガハハハ』


『さぁ乾杯だ!これからも頼むぞ、息子たち!?』



『オレ、あんな成人式より・・ずっと』
無口な先輩は涙ぐんでいた。

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最近は・・色んなヒトが荒れる成人式に苦言を呈している。
ソレが「多数決の多数派に受ける」それだけの理由である。
ボクは思う。

ほとんど「ひとり」で大人になったヒトだっている!

今ではごくごく少数であろうが、多数を前にして恥ずべき理由は一つもない。
心から、成人おめでとう。




グレートサスケって未成年かもなぁ・・