血は争えない
北海道らしからぬ蒸し暑い夏日が続いている。
雨が降って、湿度が上がって、かといって気温は下がらない。
アスファルトの濡れたいい匂い?がすぐに「蒸して何かこもった下着の匂い」になってむせ返る。
昨日は授業参観に行ってきた。
娘はマイペースなので、淡々と授業を聞いているであろうと思った。
一番後ろの席の娘は「しなくていいい家族サービス」をして途中から授業を聞いていなかった。
『どこまで進んだんでしょう?どこからやるんでしょう?』
そんな不安な顔をしながら隣の男の子のノートを覗いていた。
そのうちシャツが出ているのを引っ張ったり、消しゴムのカスを丸めたりしていた。
そんなの放っておけばいいじゃんか・・・
算数のノート提出になったが、問題すら聞いていないのでオロオロしている。
皆が「ノートに採点」してもらいだしたので、なにやら慌てている。
娘もとりあえず立とうと思ったらしい。
消しゴムを落として、見つからなくなったらしい。
泣きそうな顔でこっちを見ている。
・・・探せ・・っていうか、ノートになんか書け・・
消しゴムの場所を目配せしたが、見つからず、そのうちにイスの座布団も落ちてパニックになったいた。
そのうちにノート提出が終わり、授業も終った。
何なんだ・・・・それじゃ、ボクと一緒じゃないか・・
妻はレクに参加したが、息子の機嫌がすこぶる悪くなったので一緒に先に帰ることにした。
途中、近道で公園を横切った。
息子は雨だというのに「遊ぶ」をアピールして、オーオーさわぎだした。
傘だけさしてやって勝手にさせる。
滑り台の階段で、すべって尻を打ち「何で階段で滑んなきゃならん?」という顔。
鉄棒にぶらさがって、まんまと滑って尻を打ち、その勢いで後頭部を打つ。
オーオーと何だか知らないが喜んでいる。
「打ち所」がすこぶる良かったようだ。
途中、水たまりを見つけ、止めたが、止まらないのが子供である。
長靴じゃないクツでまっしぐらに走って転んで、上着が洗濯直行になった。
起きたときにしりもちをつき、下着も洗濯直行になった。
帰って「少し寝るかな?」と思ったが、眠りたい大人を見るとジャマするのが子供である。
増して、ボクの息子(シモネタではない)は、ボクの嫌がることが大好きである。
着替ているときに、乳首をつままれ、しゃがめば耳に息を吹きかける。
男女問わずやりたがる。
「基本はセクハラ」な行動パターンであり、いまいましい。
水分を採らせようと、牛乳パックを出せば「すぐにソレをよこせ」と騒ぎ、
渡せば「冷蔵庫から取らせろ」と無理を言う。
そして牛乳を注いでやれば「オレにもやらせろ」と無茶を言う。
セリフは全て「オーかウー」である。
生まれたときからの付き合いなので、翻訳は不要である。
良く見れば「両手泥だらけ」なので、息子の腹を支えて洗面所で手を洗わせる。
腹を圧迫されてゲロをシコタマはく。
ゲロを拭いていたら「オレにも雑巾を貸せ」という。
後ろで「ゴン!!」と音がする。
自分のゲロで滑ってまた後頭部を打っている。
「打ち所」が更に良かったらしく、がぜん元気になっていく。
ボクは眠たかったので、息子を抱えて「さだまさし」を唄う。
「辛気臭い、ヘタ、やめろ」と言うので、ビートルズを唄う。
いいかげんな歌詞のYESTERDAYで眠る。
辛気臭さは変わらないと思うが「何となく下校か閉店ムード」は伝わったのであろう。
息子は布団に寝かせると猛烈に泣く癖がある。
誰かがそばにいないと、寂しくてどうにかなるらしい。
全く・・ボクそのものじゃないか・・
息子を抱いてソファーで眠ってしまった。
帰った妻は「ホラ、大変だったろう?」という顔をしていた。
娘はため息をついていた。
男は女には勝てない。
男同士ではバカの張り合いだけになる。
まぁ・・娘にしろ息子にしろ、ボクの遺伝子が強い、と思わざるを得ない。。
たいした子供でもないし、たいした大人にもならないと思うのでホッとしいる。