宝くじが当たるとき
年末ジャンボを買おうと思った。
毎年言われて買うのであるが「当たった夢」をみたのである。
初めてである。
妻に言われて10枚バラで買って8枚当たるのである。
売り場に「調べてください」って言ったら、おばちゃんがヒソヒソと言うのである。
『連絡しておくから銀行に行ってください・・気をつけてね?警備呼ぶかい?』
そんで第一勧銀を探すが、なくなっててみずほかどっかに行くのである。
名前を言うと本人確認をやたらにされて奥に通されてケーキが出てくるのである。
それで『タバコを吸ってもいいですよ、』とか言われるのである。
『最低でも100万は当行に預金していただけますよねぇ・・』とか言って額は教えてくれないのである。
1億とかではないが、起きたら寝汗をかいていたのである。
それで昨日「ロト6」を買いに行った。
ジャンボを買うのが怖くなったのである。
そしたら妻が「去年のジャンボを換金してきて」と言った。
え!?マジで?
やばいよ?正夢だよ?
ボク今日、毛玉だらけの赤いパンツだよ・・関係ないけど。
焦って早足になって、凍結したアスファルトですべりまくって歩いて行った。
おしっこしたいヒトにでも見えたか、良く他人と目が合う、ニヤニヤと返す。
おそるおそる換金する。ついでにロト6も買う。
ついでに古いロト6を調べてもらう。
ジャンボは300円だった。
こんなもんだ、と笑う。
急におばちゃんがヒソヒソと言ってきた。
『あ、ちょっと待って?あのね・・・』
心臓の音が多分、周りに聞こえていたと思う。
その変の風景が止まって見える。
犬を抱いたおばちゃんが「犬に抱かれる幻覚」を見る。
急に手が冷たくなって息苦しくなってくる。
売り場に目を戻す。
『このロト6ね・・まだ調べれれないわ、明日だわ!』
「こ、この(クソババァ)ウガウガ・・」みたいなことを言って立ち去る。
自分のバカさに腹が立ち、妻に「宝くじ当たったら」と熱弁する。
・ ボクは100万もらって、あとは全部やるから
・ 子供らには際限なくカネを使って良いぞ!
・ 外車の専門店に行って「一番高いのってドレ?見積もり出して?」って横柄に言うのさ
・ 古本書庫みたいなのを作ってね「好きな本を全部集めて飾る」のさ
・ 古着屋で「こっからここまで全部くれ」と言うのさ
・ 100円ショップに行って「あ、こんなとこ初めてだわぁ」と叫ぶのさ
・ スーパーに行って「牛乳パックって何ですか?1リットルビンじゃないの?」と言うのさ
・ 駄菓子の「チョコバット」を買い占めるさ
・ 450円のタバコとか買って1日で吸っちゃうもんね
・ 「美容室」で髪を切ってさ、そうそう何だかセラピーとかパックもしてもらうさ
・ 1,000円札とかポイッと募金しちゃうもんね
・ え?そりゃぁ働くよ?働きたいもん
妻は言った。
『何であんたは大金って言うと「100万」なの?』
『あんた、ホントに貧乏性だよね・・』
『何で古着さ?古本さ?100均なのさ?』
『駄菓子って・・どうしてさ?』
『今年も当たらないから!興奮しなくても大丈夫だから』
なるほど、大金というのは回りだしたら、金持ちに集まると言う。
金がカネを呼ぶのであって、急に振って来るものではないとも聞く。
ボクには小金というか小銭の発想しかないのだなぁ。
宝くじって、やっぱり「ビジョンをしっかり持っているヒト」に当たるのだろうか。
ニュートンがしっかりしたビジョンを持っていたから「リンゴ」にピンと来た様に。
石田純一氏は「いい女が、いつどこで現れてもいいビジョン」を持っていることになるのか・・納得。