ウツと子育て
息子はボクのファンである。
ボクが起きたらすぐにくっついてきてヒザに座る。
新聞を広げれば上に乗って「オレを見ろ」と吐息鼻息が荒くなる。
トイレについてくる。
小なら待っているが横から覗く。
大ならどっかりと前に座って臭そうな顔をして待っている。
食事そしてれば本を持って来る。
とりあえず持ってきた絵本なのだがボクじゃないと聞かない。
妻が叱る。
泣きじゃくる。
少し本を手にとって見る。
息子が、お?とこっちを見る。
ひざに乗る。
やっぱり食事をする。
泣きじゃくる。
えづきそうだ。
本を適当に読む。
つき返される。
読む。
昨日はさすがに夕方きつくなった。
本を持ってきてくれるが読む気力がない。
泣きじゃくる。
妻の言うことも聞かない。
モノというモノを投げる。
『それわぁ!姉ちゃんのベアッガイ!』
娘も泣きそう。
息子の手からとって本を読む。
息子はひざに乗る。
笑っている。
妻がボクを見ている。
「少し出てくるよ・・」
ボクは外に出て深呼吸する。
戻ろうと思ったが、電池は切れている。
少し外出した。
帰ってくる。
子らは寝ている。
娘の寝相と布団を直す。
息子の顔をなでる。
妻がおかえりと言う。
ボクは、すまない・・と言う。
何が?と妻は言う。
何がって・・。
ボクにはブレーキがついていない。
子供の期待には全力で応えたい。
応えられる限り、応える。
ソレが精神上よくない、と言われれば言う。
「それでいいじゃないですか」
理屈じゃないのだ。
親が疲れていることなど子供には関係ないはずだ。