MelancholyDampirの日記

ウツな人の独り言

まずホテルに行きますよね

寝そびれたので散歩してきた。
ボクの身長の倍ぐらいのショベルが2台除雪していた。
 
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スター棒(赤く光るライトセーバーを短くしたみたいなの)をオジサンが振っていた。
大変な仕事だ。
おしっこにもいけない。
タバコを吸って見ていたら『寒いねぇ』と言ってきた。
「ホントにお疲れ様です」とタバコを一本差し出した。
『わー、助かるわぁ後で頂くよ』とのこと。
これから吹雪かないことを祈るばかりである。
立派な仕事である。
除雪するのも立派だが、ソレを誘導する方がいてこその正確な除雪である。
「すいません、お宅の塀壊しました・・いや、ちょこっとナンですが」とはいかない仕事である。
除雪されなければ北海道は陸の孤島になる。
ただでさえ北方領土に数える青少年も多いのだ。
そして、そういう青少年は「スター棒を振るオジサン」を小馬鹿にする。
ボクの会社には良い大学を出たホワイトカラーが少なくない。
そういう青少年(まぁ20代だが)ばかりの会社であるから難しいのである。
 
珍しく出社したとき見知らぬ青年に話しかけられた。
ボクはクビを待つだけのオジサンであるから、そういう意味で有名なのである。
(青年:以下『』。ボクは「」とする)
 
『あぁウツの○さんですね。・・・彼女っていますか?』
所帯持ちがどう答えていいか判らん。
「結婚しているから、その前には彼女だったんだろうね」
『え!?結婚してんの?うっそ!?』
見下されるのはいいとして「貴様に女などいるはずがない」と顔に書きすぎだ。
青年は眉毛をバッタの脚みたいにきれいに揃えており、
髪の毛は何というか・・その「ナウなヤング」であった。
青年は廊下にまで着いてきて聞く。
 
『おれ、結構イケメンって言われるけど、まだきちんと付き合ったことなくてさ』
個人的にはタメ口は気にしない。
敬語など相手を知ってから、選んでいけばいいのだ。
「イケメンだからね。もてるでしょ?」
『いやー・・・』
一度は否定しろ青年。
「きちんと付き合うってのはどういうことかな?」
『○さんには判らないと思うんすけどね。何でも言うことを聞いてくれないとダメじゃないすか?
そのバッタ脚で柔肌で、しゃべりは体育会系か青年?
 
『まずホテルに行きますよね?』
「待ってくれ、もう一度巻き戻して再生してくれない?」
『聞いてなかったんすか?』
 
『まずホテルに行きますよね?』
 
 
「ブー!いきなり不正解です」
 
青年は怒っている感じだ。
『まず、ピーンとインスピレーションに来るものがあって付き合うんじゃない?』
「そんなのオレって嫌いなヒトじゃないすか?」
知らねーよ、今会ったばかりだもん。
『そんで親と同居してんから、ホテルじゃないすか?』
親と同居か、それで着ているもんが高そうなのか。
「そんで」はどっから振ってきた接続詞なんだ。
 
『それでとりあえずフェ○チオじゃないすか?』
 
痛恨の一撃!常識と良心の法則が乱れる。
しかしボクはかわした。
わわわ・・大変だ。社内に基地外がいる。いやこれが常識か。
 
「ブー!またもや不正解です」
多分その俗称尺八は「必須科目」ではない。フランス語Ⅱよりマイナーだと思う。
「○さんはさ、いきなりチョコバット突きつけられたら、はいそうですかってくわえるの?」
「そういうのはドコで習うのサブロク高校?ススキノ大学?」
青年は怒っているようだ。
 
『じゃあ、付き合ったら何をすればいーんですか!?』
青年はふしぎな踊りを踊っている。
大丈夫だ、ボクのMPなどとっくにない。
それ以前にボクは勇者でも賢者でもない。
安心しろ、落ち着くんだボク。
「相手の話をよく聞いて、話題も沢山つっこんで、つまらなそうにしたら場所を変えてみるとか」
 
『そんなんじゃSEXはいつするんですか!?』
 
このザコキャラ、失礼、青年、飛び道具は中ボス級だ。
ルーラで逃げようとしたが、狭い部屋で天井が低かった。
逃げたが回りこんでくる。学歴レベルは高いらしい。
「SEXは・・ね相手が良いよってサインを出したら、そそ、とはじめればいいんじゃないの?」
「食事を食べるのにも作法ってもんがあるでしょ?いきなり、いただきますも言わないで
素手で食べたら、それは失礼だし、ごはんもかきませるし、味噌汁は熱さを舌で感じてさ、
あぁおいしかった。こんなにおいしいのは初めてだ。ご馳走様、あるがとう・・っていう感じかな」
 
枯れたジジイを見るような憐れんだ目だ。
(無論、食事表現は全てシモネタだ)
 
 
『そんなんだから、もてないんすよ!?』
 
「いつ、ボクがもてたいって言った!?」
 
青年は「あ?」という顔をして聞いてきた。
『○さんときメモとかラブプラとかやったことある?』
 
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「知ってはいるけど、やったことはない。やりたくもない」
『やっぱね?勉強になるよ?結構全クリむずいんだから!』
『女ってのはね、イケメンだけじゃダメなんだ。まずその女の性格を見切らないとさ』
血圧が下がって貧血になりそうだった。
バーチャルがリアルが負けるのか?
おなかも痛くなってきた。悪いナマモノが口に入ったらしい。
「すまん。ボク、気分悪いから・・」
 
『お高い美女なんてチョロいもんすよ!?』
頼むから、キスしてやるからその口をふさいでくれ。
 
「ブー!不正解です。パスワードはロックされましたぁ」
 
トイレに行きながら青年を睨む。
青年は遠くに行ってから、こっちに向かって大声で言っている。
 
 
『○さん、ウツなんて、あんたが弱いからですよぉ!?』
『そんなんじゃ奥さんにも子供にも逃げちゃいますよぉ!?』
 
ダッシュで戻って、髪の毛つかんでじっと見つめてあげた。
『・・痛いよ・・課長に言いますよ・・』
 
「いいよ?課長なら蹴ればすぐ勝てるし」
「総理大臣でも大統領でも連れて来てよ、みんな味方にして見せるからさ」
 
結局青年より先に係長にきちんと謝ってきた。
青年は少しいい気になったいるらしいと聞いたが「ボクが悪いです」と言ってきた。
青年は『いい歳して・・みじめっすね』と言っていた。
みじめでないことは知っている。
そんなトコにくだらんプライドなどないだけだ。
プライドなど自分を安売りできない良い訳だ。
ボクんなんかはどうでもいいが妻子に悪い。
妻はただの一度もボクから逃げなかった。
 
最後に青年に聞いた。
 
「あのさ、イケメンはどんどん省略して進めるみたいだけどさ?」
「函館から青森まで、あの海峡を走り幅跳びで渡れるとか、思ってないよね?」
 
『バカにしてんのか!?』
 
「いやバカなのはボクだ。聞いてみただけ。失礼します」
 
どうも青年とはしっくりこない。
もっとドラクエネタとかで盛り上がれると思ったのだが。