雪とボクと家族
タイトルに比して多分暗くならない。
安心して欲しい。
さっき屋根の雪が落ちた。
すごい滑落音がする。
ズズズッ!ザザシャシャッ!!
という感じである。
判らないと思う。
ネズミ小僧が「今晩が初めてです」という弟子を3人ほど連れて屋根にいる。
そう思って欲しい。
それで、弟子の一人が足を滑らすのである。
ガササッと足取りが明らかに乱れた音がする。
コレは滑落音に比して小さな音である。
武家屋敷の天井なら「誰か・・?ふん・・・ムンッ」と一突きにされるくらいの音である。
風車の親分なら出さない「うっかり」な音である。
ガササッ、のあとがよろしくない。
ズシャ、ズシャ、と人為的な音が続く。
うっかりな弟子が、他の「何とか踏ん張っている弟子」の作務衣にでもつかまったのであろう。
「てめぇ・・一人で落ちろぉ・・ソコを引っ張るな、コノ、アホゥ・・」
そういう、雪や氷の音以外の音も混じるって聞こえるから面白いのである。
あとはドリフ流のトントンオチである。
最初のズシャ!より2段3段と音が大きくなる。
そして屋根の端ギリギリのトコで、志村さんが踏みとどまって「体操のポーズ」を決めている。
(雪の話である。)
そして、音が止んだ頃に
『志村ぁぁぁあ!!後ろぉぉっ!!』
と茶さんが叫んだときには遅く、最後の氷塊が志村さんの背中に激突して落ちるのである。
そして、ステージがターンして歌になる。
雪だけに、由紀さおりであろうか。
そんな大きな音がして、一服がてら裏を見たら「がっつり(すっごい)」積もっていた。
細やかな雪ではない。
長らく屋根の上でオロオロしていた氷塊である。
今日は北海道旭川らしからず気温がプラス!3℃であった。
確かに日中はどこもかしこも、屋根の氷が「志村ぁ!志村ぁ!」であった。
3月~4月の陽気であったと云う。
こうやって書いていられるのもおそらく、自分の持ち家じゃないからだと思う。
「屋根の雪下ろし」などという暴挙は、持ち家だからこそやるのである。
ボクもやろうとはするが、借家だから、命知らずの大家さんに任せている。
屋根の上でモタクサしていた氷塊はラクに100キロ(割れて小さくなったヤツ)はある。
それが3個4個と、大判小判で落ちてくるのである。
mgh=1/2mv2
いくら摩擦があったところで2メートル以上の高さを落ちてくるのである。
200キロ×9.8×2メートル・・
エネルギーどころか凶器である。
1馬力でさえ75キロを1秒に1メートル持ち上げるだけ。
雪かきしていて「あっ!!」と上を見上げてからでは遅い。
・・・・ないない・・・そんな余裕ないから。
ケンシロウは無事であろうが、リンとバットは即死である。
十字架を増やさないためにカサンドラには単独で赴いて正解である。
持ち家の方々は、どんなに高齢だろうが一人暮らしだろうが、除雪や雪下ろしから逃げられない。
家が潰れては元も子もないのだ。
ヒトを雇うにも金がなく、頼むのにも隣人は冷たいのだ。
家をいとおしむ結果が「雪の事故」になることが多い。
雪と闘う人間への代償として事故死は余りにも余りにでもである。
暖冬・・というわけで除雪はここんとこ余りない。
人形を進めてはいるが「弟子」が手を出したがって困るやら嬉しいやらである。
娘である。
彼女はSDのズゴックを作っているはずであるが、気がつくと涙目でウルウル見ている。
何か手伝いたいのだ。
断れるわけないのだ。
そして「基本の円柱」を頼むのである。
次に日には乾燥を待たずに割れている。
練りこみも表面処理もしないからだ。
それで良いと思う。
一人で、コンビニのおにぎりを押し込みながら、締め切りを気にして作るものでもあるまい。
ところで・・居間が汚い・・。
妻が『コレつかうしょ?』と職場からの書類を持ってきた。
所得はないが、退職者の年金用に差っ引かれた金額の書類である。
確定申告があるじゃないか・・。
所得税30円のボクからまだ何か取りますか。
ケツの毛はあるし、鼻血も出るだろうから、まだまだ税務署はやる気だ。
週明けにでも行って来るか。
しかし・・「郵便物入れ」がいつのまにか「雑品とゴミ入れ」になっていて、
ソレを片付けなければ「書類」にも気がつかなかった訳だ。
くわばらくわばら。
妻は衣食住(洗う・作る・住む)を守る。
それ以外の衣食住(たたむ、しまう・洗う、結構作る・修理修繕、模様替え)と、
雑多なこと(保全保守整理etc)は面倒くさがりなボクでもやるべきだろう・・な。
雪が降ってきた。
全部落ちたから、安心して降ってくれ。