MelancholyDampirの日記

ウツな人の独り言

心に残った、愛の告白の思い出は?

ヤフーからのお題である。
真面目に考えるが「愛の告白」にとんと縁がない。
頭の中で「辞書」をひく。
 
「あ」の行、「愛」・・・ないことをあるように見せる言葉。詭弁、言い訳。 → 真実(2)、魔法(3)を参照
            
            例)私を好き?愛してる?・・愛してるさ
              この凄い力は何?・・愛というものさ
 
辞書が壊れているらしい。
仕方ないので記憶の糸をたぐるが、どこまでも細くなるばかりで、何のとっかかりもない。
カテゴリをいじる。
片思い・失恋・遠距離・初恋・・・あぁ甘酸っぱいなぁ、いいなぁ。
先輩!・・あぁなんていい響きだろう・・呼ばれたかったなぁ。
先輩!なんて呼びながら長い黒髪を揺らしたセーラー服が走って来たらたまらんなぁ。
ヒザに手をついて呼吸を整えながら上目づかいに見られたら・・真冬に白い吐息がねぇ。
鼻血だけで貧血だろうな。半分なら死んでもいいな。
安い命だな。
むー・・やっぱり「その他の恋愛」にしか縁がない・・なぁ。
「アドバイス」!?いい、この無責任な響き。
カテゴリなどどうでもいいものに時間をくった。
 
バレンタインという畜生の商法で、普段からチョコを買っている多数が迷惑している。
ボクも、キットカットぐらい・・と思ったが「きっと勝つと」で受験生とバレンタインの双頭の龍ににらまれる。
バレンタインは長らく鬼門であった。
幼少の頃「建国記念日を14日にしよう運動」をしたが、もてるチームが以外に多数で反逆され失敗した。
2月上旬までは、もてないなりに生きていこう、女なんて要らないぜ、世界の半分は女だ、と息巻いていた。
もてるもてない以前に、出場権すらない、もてないチームの最大級の言い逃れである。
 
妻子がいる今でも14日は、やっぱり胸騒ぎがする。
女は妻一人です、命より娘が大切です!と誓って以降、年寄りと子供、双極で人気が出てきた。
もし神様がいるなら、相当なキワモノでイヂワルである。
つまり、ボクは、もてないことを語らせたら一家言はあるが、愛の告白にはさっぱり疎いのである。
 
さて。本題。
食前の方は、深夜に軽く食べる程度にしてください。
食事中の方は、他のキレイなブログの閲覧を推奨します。
食後の方は、エチケット袋を用意してください。
 
待て、我が家が食事だ。
休憩。
 
パソコン閉じるトコだった。
 
男子中学生の2月14日は長い。
登校からして、遠回りしたり、普段入らない路地に入ったりと落ち着きがない。
登校仲間との会話も
「昨日は何見た?」『別に・・何も・・』「リンゴってうまいよな」『宿題やらなくてもいいじゃん』
全てが上の空で、つながりも掛け合いもない。
もてないチームが徒党を組んでいるのであるが、皆がみんな、自分は違う、と思っている。
98%くらいの高確率で、いつもと同じ一日である可能性が高い。
が、今日から全てが変わるんじゃないかと云う、少ない2%にも一生を掛けていた。
そそくさと下駄箱を覗く。
臭い上履き以外は何も入っていない。
アチコチでため息が聞こえ、ニンマリと足早に去っていく少ないイケメンを背後から呪っていた。
ボクの上履きには画鋲とカッターが入っていた。
もてないチーム所属の上にいじめられっ子でもあり、辛いいつもの日常である。
教室の自分の机を、奥から裏からさりげなく手で探る。
ちっともさりげなくない、という事は、教室の隅でせせら笑う女子の顔でわかった。
部活をやっている連中は、練習もないのに練習しに行く・・落ち着くんだみんな。
部活はしているが、用のないボクは、太陽を出来る限り直視して何秒・・とか数えていた。
昼が過ぎ、下校時間になると、みんなで98%を呪って帰宅し始めた。
 
『コレ、あんたに渡してくれってさ』
 
ふと見ると女子である。
確か、同じ中学のイケメンと長く付き合っていて、ヒューヒュー言われていた可愛い子だ。
「誰から?」
『知らない・・』
「果たし状かな・・?」
『あんたバカ?』
手元の封筒、メルヘンな封筒である。
今日の夕方にどこそこで待っているという内容。
チョコも何もない。素っ気無い。
ボクの名前は入っていない。
差出人の名があった。
 
○○・・苗字はよくあるものだったのでスルー。知らない、心当たりもない。
 
○○正宏
 
正宏・・
 
まさひろ・・ただひろ・・。
 
 
まさひろぉぉ!!??
 
 
果たし状か・・嫌な予感を抱きながら下校する。
待ち合わせ場所は大きく迂回する。
誰かが待っている、こっちを見ている。
反対に遠回りでUターンする。
やっぱり先々で待っている。
仕方なく、いつものルートで帰る。
『またケンカか?』
見ると、面識はあるくらいの違うクラスのイーちゃんだった。
中東系の顔立ち、ギターが得意で男女問わず人気があった。
ボクが夜な夜なフラついていること知る少ない近所の男子だ。
ボクはふっと気が抜けて、いつもの一日だと我に帰る。
肉屋でコロッケを買い、イーちゃんにひとつあげる。
「今日は最低だよ、イーちゃんみたいにもてることもないのに浮ついてさ・・」
『オレだってもてないよ・・好きじゃない奴から何をもらったって困るからな』
神様、イーちゃんに電撃一発かましてOKです。
 
『お前、肉なんかくわなそうなのにな?』
「は?食べるよ、バカじゃねーの?」
『オレは太ったお前は嫌いだよ・・』
「は?ゴメン、リピート」
『手紙、もらったか?』
 
神様、電撃はボクじゃないです、イーちゃんに大至急OKです。
イーちゃん、名前なんだっけ?」
『○○正宏』
 
ま、まさひろぉぉ!!??
 
そっちか?
いやこっちか?
こっちってどっちだ?
 
結局、メタルバンドとブルースリーのビデオに釣られてイーちゃんの部屋に入ってしまった。
『タバコ持ってくるわ、適当なビデオみててな』
勉強用品もなく生活臭のない部屋は、背伸びした香水のような匂いがした。
「はぁ・・あ、エロビデオがある」
殆どが、オス対押忍、ラガーマンとボクサーが相撲をしている・・つまりは野生の祭典である。
イーちゃんがタバコとチューハイを持ってバスローブで現れた。
 
「ほわぁぁぁぁぁぁぁあああ!!」
 
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あらん限りの気勢で奇声を張り上げる。
半年分のガンをまとめて飛ばす。
 
イーちゃん、いや、正宏はベッドへといざなう。
『初めてか?』
 
何のどれの初めてか!?
どことどこの初めてか!?
うつぶせの正宏は、お尻を持ち上げてセクシーポーズだ。
 
目が虚ろだ。何かキメているのかも知れない。ある意味決まってはいる。
『あまり、せっかちなのは嫌だからな・・ゆっくり・・な』
 
尻を8の字に振っている。
そっちで・・もっとそっちで更にあっちか?
こっちはそっちか・・明日はぁどっちだぁ。
更に奇声を上げて尻を蹴り上げる。
 
『ん、んっ・・♪』
 
女より女っぽい仕草と声に、完全にTKOだった。
腰が抜けてしまった。
ホラーは大の苦手なのだ。
結局、正宏にリードされAというトコまで行って帰ってきた。
口の中はずっとコロッケの味がした。
 
帰ると母親が言った。
『遅かったじゃん?♪バレンタインだもんねぇ♪』
 
「ほわ、ほわぁほわぁぁん・・」
 
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奇声はため息と、訳のわからぬセリフになっていた。
早くお風呂入って寝なさい、という母親の怒声で我を取り戻す。
パンチドランカーよりひどい足取りで部屋に向かう。
「弟たちの部屋」からはチョコ自慢の話がヒートアップしていた。
神様、神様ぁぁぁ。
ボクの机の上には母親からのチョコと手紙があった。
美味しくて涙が出た。
 
 
正宏の愛の告白はかっこよかった。
『近すぎて・・さ、見えないものってあるよな・・』
ボクがうなずかなかっただけである。
 
 
というわけで、断ったとおりの内容になってしまった。
お詫びします。
この記事は、幼児の手の届かないところで、直射日光を避けて(記憶を)廃棄してください。
ヒトに向けて撃ったり、デリケートなところには決してお使いにならないで下さい。