MelancholyDampirの日記

ウツな人の独り言

地震

眠れない。
眠る気もないし眠る勇気や気概もない。
・・・
ここまで書いてすっかり放心している。
タイトルを書いてから、自分の存在に恐怖すら覚えた。
何かしたい、はげましたい、何かできないか・・・どうか・・・。
全てはボクの思いあがった軽薄な幻想なのだ。
すっかり自失してしまった。
地震を北海道の小さな揺れで知ってニュースで知って見てホッとしている。
「ココじゃなくて良かった」・・慌てて関東の実家や親戚に連絡をする。
通じないことへの焦燥と不安。
何をボクはとち狂っているのか。
自分と、自分に関係のあるヒト、それも主観だけで助かって欲しいヒトとそれ以外に分別しているボク。
ウツ人となってからこっち、抱き続けている生者への裏切りと死者への冒涜。
 
なぜボクが死なない。
 
十分に生かされていることへの暴言。
自分なりに懸命に生きていることの否定。
多分、ここからは何を書くか判らない。
きっと悪いものでも食べたか、タバコに何か混ぜたか、くらいだろう。
 
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さびれた教会。
垢まみれの言葉。
きれいすぎる白い手の牧師。
そして、来るはずのない彼女。
どうしても、どうやっても、ボクは神を信じない。
 
教会に行き始めたのは彼女がいたから。それだけ。
『何でも話してみればいいと思いますよ』
『○さん(ボクの愛称)決して変ではないです』
死ぬまでいつもどこでも敬語だった彼女。
熱心に牧師や神父が語る言葉を、ボクは即座に切り捨てていった。
 
『今、例えるなら欲しいものは何ですか』
「モノはいらないです」
『全ての命は神に導かれるのでしょうか』
「神は導かないでしょう。ボクの意思はボクが決めます、邪魔はさせません」
『ヒトはなぜ生きているのですか』
「殺されないからでしょう」
『あなたにとって善とは悪とは聞かせてください』
「善も悪もいっしょです。あんたが悪ならボクは善でしょう、逆も一緒でしょう?あんた○○ですか?」
『親や兄弟に感謝はしていますね』
「当たり前です!後できちんと恩返しはします。釣りがくるほどにね」
『なぜそんな目で見るのですか』
「信用してないからですよ、あんた○○ですか?」
『それでも神はあなたを見捨てない』
「それならボクが捨てましょうか」
 
教会で働くヒト、通うヒト、何となく来たヒト・・全員から惜しみない罵声と出し渋った祈りを受ける。
『なんで教会に来たの!?』
「彼女がいるからでしょう、あんたたちみんな・・ですか?」
 
今、吐き気とめまいがしている。寒い。
お腹がなってウルサイ。
息が白いぐらいで暖房など要らん。
すぐそこに、そこに食べ物があるが要らん。
衣食住に足りて悩む・・何も悩みがないことへの何よりに証拠じゃないか。
こんなどうってこともないトラウマを書くだけで「彼女」が見えて話しかける。
 
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『○さん?聞いてください』
生き返るなら何だって聞いてやる。
彼女は首を振って笑顔を向ける。
『全ての災いも神の・・』
黙れ黙れ!!
 
いや、すまない・・・神は要らないんだ。
災害でヒトを試すというなら、神はよっぽど人間臭い○だねぇ!?
いや、すまない・・・違うんだ、ボクは。
何をしたら、いやボクをどうするか・・
 
『生きましょう?』
『いつまでも生きましょう?』
 
そうやって、あなたは、いつもいつも、そう、いつもいって、16で死んだじゃないか。
もう20年以上になるんだ、勘弁してくれ。
あなたの顔を、もう動かない顔を、あの顔を感触と体温を忘れさせてくれよ。
あの日から、一日だって一秒だって、あなたはボクの前に・・・。
先に死んだら、残った者は絶対に死者を忘れることなんか無理じゃないか。
 
『ありがとう。私は幸せ者です』
 
また言ったな。
そればっかりだ。
いっつもそればっかりだ。
 
死に顔を見せられて、煙になるのをいつまでも見て、高台に走って吸い込んで・・
骨を拾って、そうさ、泣かなかったよ、あなたの兄さんだって泣かなかった。
ボクはソレを持ってたんだぞ、少しだけど。
アレさえ捨てれば、いつか忘れてしまえるって・・・。
 
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ごめん、決して忘れないよ。
ボクは生まれて以降の記憶を全部失ったことがある。
そう、ひっどいウツ人だからね。
自分の名前も誕生日も、まだね、免許みないと怪しいんだ。
でもな、忘れなかったんだよ。
あなたの名前も誕生日も、出あった場所も最後の場所も。
そして、あの顔、あの肌の色、感覚、温度。
あなたが横たわった部屋の壁の色、線香の長さ、花の色、におい。
思い出したくない記憶から、あなたが鮮やかに舞い上がって話しかけてくれるんだ。
ありがとう。
そのうち死ぬってことは知ってる。
今は生きている。
いいもんだよ。
家族はホントに素晴らしいよ。
生かされているだけだったんだ、って心から思うよ。
 
教会では、肩身を狭くさせてごめんね。
お陰で、すっかり丸くなったよ。
そうそう(笑)、身体もすっかりね。
生きるよ。
理由はない、いや、ほんとにないんだ。
死ぬからこそ大切に生きる・・・確かそうだったよね。
 
ボクよりもね、助けるべきヒトが大勢いるんだ。
そっちに行って下さい。
ありがとう。