MelancholyDampirの日記

ウツな人の独り言

笑う奇癖

奇癖というものは仕方がない。
 
ご飯を前にするとよだれが出るとか、葬式では屁が止まらないとか、
新商品はどんなに不味そうでも食べてみたいとか、かなり年上しか興味がないとか。
以上は一般論。
 
ボクの場合は「変なときに笑う」ということであるらしい。
自分では、ゆるぎなく面白い状況なのであるが、笑ってはならない状況というのがある。
楽しい不祝儀とか、結婚して不幸とか、頑張って化粧して残念なヒトとか・・・。
そういうとこでボクは堪えられないのだ。
そういう状況も、ボクが笑う対象は若干ずれているらしいのだ。
妻はもう20年以上ボクを見ているが、未だに不明であり好奇であるらしい。
 
『ハックショーイ!今畜生!何だこのぉ!ヘッヘェ!!』
どでかい「くしゃみ?」をしたオジサンがそそくさとトイレに行った時点でもうたまらないのである。
『ヘッヘェ』が、似ていない矢吹丈のモノマネっぽくて実に小気味いい。
そして、トイレは、きっと、少しちびったのであろう、ボクはもうヒーヒー言っている。
止める妻を振り切って、そういうヒトには着いていく。
奇癖を越え悪癖である。
トイレに入り「小」をしているおじさんが?という顔をして「大」に入っていく。
 
「出てました?少し出てました?」 つぶやくように聞く。
 
『何だ?オレか?うるせぇ出て行け!バカ!』 怒鳴るオジサン。
 
「出て行けって(アハハハ)ボクはそこに入ってませんて!トイレから出て行けってですか!?」
 
ヒーヒー笑って出てきて話すと、妻がげんなりしている。正気ではない、そういう顔だ。
 
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葬式で、坊主が経をあげている。
途中で声がかすれてくる。
オカマの裏声のような変な声になってくる。 経はやめない。
横に水があるのだが飲まない。 後ろの親族の女性がそっと、坊主の水を横に押す。
坊主は水を欲しているが、手が届かない、もうちょっとだ、頑張れハゲ!
みんな声を押し殺している。
ボクは既にふき出している。 坊主と親族のやりとりではない。
坊主の後頭部に、親族が、歪んだ鏡みたいに写っているのだ。
視線を落とすと、そのストッキングはどうやら左右が違う。
デンセンしていないほうをじっくり選んできた結果だろう。
が、左右が違う黒なのだ。黒は黒でもはっきりと片方はラメ入りだ。
どこでそんなストッキングを買ったのだ。 
勝負用か? いつ誰への勝負だ? まさかそこの御尊影の男性か? ストッキングフェチでしたか?
片方は・・破られましたか?わざと。
もうたまらなくなり、トイレにいって爆笑する。
後で「笑い声が聞こえた」とお叱りを受ける。 悪癖である。
 
医師に良くない病気の話をされて、吹き出したが大笑いになった。
「ボクが!?ねぇ本当ですか?」
医師の説明もよそに「ドラマチックですね?ロマンチックですね♪」と言い出す。
「誰かロマンチック止めて♪胸がぁ胸がぁ♪」
「あ、そうそう胸も苦しいんですよ」と自分で言って笑い出す。
暫くしてまた笑い出す。
医師も切れ気味で『何か?』と聞く。
 
「Hold Me Tight♪せっつなさがぁ!止まらない!ですよ?がぁ・せっつなさですよ?ねぇどう思います?」
 
精神科に通院していると聞いて医師は「そっちですか」という顔をする。
いや、幼少からこうなのだ。
 
「Hold Me Tight!ってことはボクにFallinLoveですね?たまらんですね?ヒデキ感激?」
 
医師はハイ?という顔をする。
いや、あなた名札に「ヒデキ」ってあるじゃんか。
退室後、看護士が話しかけてくる。
『あの先生、東大出てすっごい偉い先生なんよ?・・でも面白かったわ』
そうですか・・と言う。
『でも考えてね?明日死ぬって言われたらどうする?』
「あさっての方に逃げます」と即答する。
看護士はナースステーションでボクの方を見て、側頭のあたりで指を回して話している。
いや、幼少からこうなのだ。
 
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ボクの頭の中は「カオス」であるらしい。
知能判定を、時期時期で何度かしてきているが、いっつも判定が玉虫色なのだ。
そして深刻そうな検査技師を前にして、つまらんことでスイッチが入って、切れなくなり笑いだす。
相手が激昂すればするほど、ボクは冷静になっていって、笑いが治まっていく。
親や親戚に始まり、先生や、同僚、上司、支店長、副社長、社長・・だれのお叱りを受けても笑い出すのだ。
天皇陛下がボケ(におなりになっ)たら殴りこんでいってツッコムと思う。
お前、はじめっからボケとるじゃんか? 即位の前からとぼけてるじゃんか? 
美智子さまばっかり白髪にして、お前どのツラさげて、なに?ぼけてんの?
悪癖である。
 
「笑えました」のコメはいっつも心底ありがたい。
ボクも笑いには幅と深さがあって、その融点や沸点というものの「さじ加減」は何となく判る。
でも、それがボクの笑いであるか、といわれると疑問なのである。
ボクは自分の記事を何度か読み返す。これも奇癖である。
今回も、ボクは笑えないなぁ・・と思ってパソコンを閉じる。毎回そうだ。
どうすれば面白いのか、笑えるのか、まだまだ長い模索が続きそうだ。
世の中には笑えることしかないと思う。 
笑って良いか否かというつまらん基準があるだけだ。