MelancholyDampirの日記

ウツな人の独り言

「私のマンガ大賞」は、コレⅡ

妻は「びっくり箱」を持っている。
ボクの想像を遥かに超えたネタを「全く意図せず」に出してくるのだ。
ソレは無知だからではなく、天然でもない・・不思議である。
ボクは「こう話したら、相手はこう考えるだろう・・・では裏を取るか」とか考えなくていいことで頭が充満している。
自然体とはほど遠いのである。
声が出にくい・・コレは不自然である。
声は相変わらず出なかったり出なかったりである。
笑うときは、鼻笑いみたいな、コバカにしたような笑いはでる。
もっと心から笑いたい・・・そう思うとき妻が「びっくり箱」を開けてくれるので有難い。
 
少し前に「怪談のお岩さんって何であんな顔になったんんだけ?」と聞いた。
 
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ボクは、お岩さんは某かの毒を盛られてあのような醜怪奇怪な顔になったから・・と考えていた。
そうなれば、目立つ毒ではないだろう・・
毎日の食事に水銀とかヒ素とか、昔だからフグ毒の軽いのか?とすれば、と考えていた。
妻は即答。
 
 
『漆(うるし)!!』
 
 
ボクは腹を抱えて笑い、暫くは飲み物が飲めなかった。
漆であんな「怪談」になるような顔になるものか?と考えたが、もう漆しか浮かばない。
そうか・・毒でもなんでもなく、ただの漆であったのか。
別に「恨まれてやられた」のではなく、肌が弱い普通の女性であっただけか。
では、呪い歩いたお岩さんは、ただの逆恨みであり怪談でも何でもないな・・また笑いが後をひいた。
 
アンパンマンは息子のお気に入りである。
毎回アンパンマンは意気込んで敵に向かっていき、顔が汚れたぐらいで凹む。
情けないことこの上ない、子供に愛と勇気を与えるには肩の荷が思い実力である。
大抵はバイキンマンにやられる。
弱点を知り尽くされ、それでもアンパンマンは努力をしない。
「新しい顔」が来るのを待っており、あまつさえ「いつかは顔がくる」と判って無茶をする。
自らの弱さに甘えることこの上ない。
バイキンマンドキンちゃんという「世界一の食いしん坊甘えん坊暴れん坊」に振り回されているだけである。
バイキンマンがいつも腹を減らせているのは、ドキンちゃんに全て、年貢のように盗られているからで、
更に戦うときのメカも全て自作している・・・努力家である。
バイキンマンが富裕な生活をしているようには全く見えない。限界まで節約しているのであろう。
涙すら覚える。
ヤッターマンで、ボヤッキーが「ドロンジョ様、メカを作るにはもうあと26円しかありませ~ん」と
窮状を訴えても『何とかおしよ!』とむげにされているのと同じである。
努力家はいつも不遇なのだ。
アンパンマンは弱い。
・ 顔が汚れて力が出ない
・ 顔が濡れて力が出ない
・ 顔がカビてしまって力が出ない
とにかく顔が命なのである。
ヨシトクの日本人形と同じ言い訳であり同情できない。
妻が言った。
 
『顔が歪(ゆが)んで力が出ない、ってのもあるよ?』
 
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いい加減にしろ!アンパンマン
だから能なし、いや脳なしなのだ。 アンコだけで行きよう等と考えが甘い。アンコだけにである。
では、「顔が歪んだヒト」は、みんな力が出ないとなるではないか。
ブサイクなレスラーは弱い!となるが、そうではない。
端正な顔つきの格闘家は力が出ない、ともならない。
実際に、古くはブルースリーは私生活でも最強であり、タイガーマスクこと佐山さんはマスクの必要はなかった。
最近では小橋健太さんや武藤敬二さん、秋山準さんは端整でレスラーとしても強い。
高田延彦さんもイケメンであり、「かかってこいやぁ!」と言う位力があるらしい。
逆に、化粧、いや、塗り絵や変身をしておさまった女性は無敵であるとも取れる。
整形した韓国人が日本の芸能界に侵食してくるのも、力があふれ「元気百倍!」だからか。
なるほど、そうかも知れない。
化粧しなければ、力がでないどころか、表も歩けない、そういう理屈も一般的ではあるのか。
そう考えていると妻に聞きたくなった。
「(アンパンマンを例にすれば)顔がキレイで力もあるってのは、あり得ないんだよな?」
妻は暫く考えて叫んだ。
 
テリーマンは!?』
 
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やられた・・・反論の余地がない。
また「びっくり箱」を開けやがった。
ボクは淹れたばかりのコーヒーを吹き出し、コップからも全部こぼした。
コーヒーを返せ。
妻はきょとんとしており、自分の発言が面白い、とは露も考えてはいないらしかった。
テリーマンか・・・天災と同じく全く予期できなかった。
ブルースリーとかプロレスラーを考えていやボクはレベルが低かったのだ。
テリーマンは「超人」であり、もはやヒトではないのだ。
それでいてイケメンどころではなく、性格もまず正義に溢れた稀有な人である。
額に「米」と書かれているから、きっと親日家で和食党なのだろう。
(「肉」と書かれた主人公はSMの「肉豚」っぽくて若干かわいそうではある。)
テリーマンは実は影の主役である。
新幹線を素手で止める大会で「子犬を助けるため自ら棄権した」ほどの憎らしい正義漢である。
そしてイケメンであること、実力があることを何ら誇らない。
タッグを組んで戦うときもジェロニモ(かな?)という超人まがいをパートナーとし苦戦を好んだ。
ジェシーメイビアという超人の「お付き」であったプリンスカメハメという老練な超人に弟子入りもする。
そして過酷な訓練のあと、「筋肉マングレート」としてマスクをかぶるのである。
それは筋肉マンという親友の苦境を助けるべくしたことであり、テリーマンらしい。
いやはや、憎らしいほどだ。
テリーマンはテリー=ファンクをモデルとしているらしく、実在のテリーも好漢であった。
当時はTHE FANKSというコンビを結成していて、クリーンなプレーでファンが多かった。
相方は兄弟のドリーファンクJrであり「Jr=ジュニア」というものの・・往年は・・
 
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完全に「おじいちゃん」であった・・・若い頃から頭はさびしかったのだ。
だからこそ、反則を嫌い真っ向から闘うクリーンなファイトスタイルが多くのファンを得た。
ボクも弟と観ており、悪役にドリーが場外で叩きつけられると怒っていた。
「お、おじいちゃんをいじめるなぁ!?」
『兄貴、おじいちゃんが、おじいちゃんが死んじまうぞ?』
「大丈夫だ、おじいちゃんは強いから・・・」
『おじいちゃん!頑張れおじいちゃん!』
「やったぁ!おじいちゃーん!!!すげぇぞ、おじい!やったぞ!おじい!」
完全に侮辱しているが大好きであった。
脱線・・・プロレス談義になってきた。
少しでも好きなヒト以外、コレでは何のことやらさっぱりである。
 
さて、
アンパンマンは原作者やなせ氏の思惑からは少しずれてきているようだ。
富良野や東京にミュージアムがあるが、どちらかというと「苦悩するヒーロー」という実像であるらしい。
メッセージ性が強く、子供向けというのとは少し違うようだ。
でも子供にはわかりやすくしなければならない・・そこでよわっちい現在のアンパンマンができてきたのか。
リトルボオという同作者の傑作がある。
サトウハチローのような詩的世界を舞台にしたアンパンマンの前進ともいうべき作品である。
リトルボオこそ今は「受ける」かも知れない。
だが作者はリメイクはしないであろう。
カネは目的でなく、夢と生きる苦悩とそれを越える強さと喜びをこそ作品の目的にしてきた氏である。
 
あ、息子が起きてきた。
アンパン!といながらウロウロして・・DVDでも観たいのであろうか。
「おっぱい!」と言いながら妻のところに戻っていった。
オッパイマンである。
オッパイがないと力が出ない・・・
オッパイを見ないと力が出ない・・
 
老若問わず、世の男ども全てにいえそうなことである。