義父の金言

義父は経験からしかモノを言わない。

だから大抵はバッサリと斬られて、フォローも救いもない。

 

6億円強盗ありましたね？

 

「そんなに持ってるから盗まれるんだべ」

 

よく盗めましたよね？

 

「あるとこ知ってるから盗んだんだべ、バカは泥棒なんてせんものな？」

「バカでも身体が丈夫ならいくらでも働けるのよ」

「中途半端に頭良くて身体が弱いってのがどうにもならんのよ」

 

グッサリ、げんなり・・。

 

 

 

ありそうでないものは？

 

「カネ」

 

 

なさそうであるものは？

 

「借金だべ」

 

「体脂肪もあるべ」

 

 

公務員の汚職事件のニュースばかりが流れる中で・・

 

「こいつら「頑張って稼ごう」って気がないものな！？」

「うまく、ずるして何とかしようってな」

「それで、しまいには、ばれてんだから泥棒より悪いぞ」

 

韓国のドラマを最近観ているそうですね？

 

「毎日やってるからな」

 

つまらなくないんですか？

 

「毎日見てたら面白くなるんだべな・・面白いもんだな」

 

整形が多いらしいですよ？

 

「見たって判らん！！」

「鼻や口が曲がってるよりいいべさ！」

「テレビ出るんだもの、整形ぐらいするべさ」

 

義父は韓国びいきではない。

ただ、「ただの文句」は言わないだけだ。

 

義父は外食が好きではない。

選んだり注文したりするのが面倒らしい。

結構前にガストに行った。

店員さんが言った。

『ご注文繰り返します♪』

義父

「繰り返されたって憶えてない！」

 

店員は繰り返してから言った。

『以上で宜しいでしょうか？』

 

義父

「憶えてないもの！お前、宜しいでしょうかって・・・・ハイ宜しいですよぉ♪」

店員泣きそうになり退場。

 

注文したモノを持って店員登場。

『こちら○セットのお客様？』

義父

「・・オレか？頼んだか？」

みんなで「頼んだべさ！」とフォローする。

 

店員はオドオドして去っていった。

 

店員はサービス業の厳しさをどうでもいいところで知ったであろう。