MelancholyDampirの日記

ウツな人の独り言

ヒトの視線(め)

自分が思っている以上に「ヒトは自分のことなど見ていない」。
そういうのが持論である。
見ていないので、化粧やオシャレをするのは無駄である、と個人的には思っている。
もちろん、別の見方もある。
「人並み以上の容姿・フェロモン」を自覚しているヒトならば、オシャレも必要であろう。
 
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                         (例示が極端ですまない)
 
実際はどうも空回りしている、ようだ。
「人並みかソレ以上」を獲得するために、身だしなみを整え、見られるように仕向けていく、
そういうのが現状であるらしい。
モテ顔とかモテメイクとかモテ髪・・そういう呪い(まじない)が雑誌をにぎわして長い。
呪術の類は、いつの時代も野蛮であるが神聖ではある。
 
ボクは、バスで出社してバスで帰ってくる。
バスというのは密室であり、どうしても視線(め)が合いやすい。
目をまともに見られない性格なので不審者になる。
後頭部がかくゆなり、何だ?と思うって振り向くと、同世代ぐらいの女性と目が合う。
モテ目のアイラインを実践しており、雑誌のソレの再現度の高さに感心する。
向こうは「?」と言う顔をするので何か不自然でないことをしなければと思う。
 
「キレイですね」
と言って振り戻る。
 
不自然どころか警察へ通報対象である。
浮かれている、そう思わせよう、と鼻歌を試みる。
 
「真っ赤なぁバラわぁ♪あいつのクチビルぅ・・♪」
 
浮かれている、というよりも、「いってしまっている」印象全開である。
いつも同じ時間のバスなので乗客とは「なじみ」になる。
バス停では暗黙のうちに知人に類されたもの同士で「会釈」をする。
そういうのが心地よくなってくる。
上述した「同世代ぐらいの女性」も「ボクの座る席の斜め後ろ」に立つのが定位置らしい。
ボクは、どの朝でもネグセがついており、その女性は完璧である。
バスの前方に「広告パネル」があり、ソレを鏡代わりにして、視線が交差することが多い。
ボクは、ネグセを許容範囲内にするため。
女性は何を直しているのか判らないが直している。
家の布団からスタートして、
少しずつ自分の居場所をずらしていき、布団に戻る。
 
自分の家。
バスの中。
(会社。)
トイレの右から二番目
バスの中。
行きつけの店。
朝とは違う自分の家。
ブログ。
 
どこか虚ろな自分の存在を、さしあたり確かにしてくれる場所。
そうやって、日常の中で、暗黙の居場所をヒトは求めるのかもしれない。
居場所には不要な視線(め)はない。
適度な緊張の下で、安心して、油断できるのである。
会社は当然に緊張しきりなので()とした。
(トイレ二番目は人気のスポットであるが故に、何故か汚いのでボクは敬遠している。)
そういう安穏とした、春の日差しのような場所が、ボクはどうにも苦手である。
求めているうちはいいが、手に入れるとムズムズとアレルギーが起こるのである。
自分に唾したくなるが、仕方ない、これが自分である。
早速、明日、乗るバスを換えようと思う。
 
毎日に刺激を求めるためには、実は大した変化は必要ない。
昨日と同じ自分に二度となれないように、同じ毎日など全くないのだ。
単調な毎日とか、家と会社の往復とか、そんな雑に区分できるほど、ヒトは平和な世界にはいないと思う。
バスを変えただけで、きっと自分の目は変わり、ヒトの視線(め)も替わる。
 
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(色が付いただけで別人のような美しさ哉)
 
 
おもしろき哉。