MelancholyDampirの日記

ウツな人の独り言

ウツ人の位置~螺旋迷宮

螺旋というのは自然界の英知の結集である。
挙句の果てのカールスモーキー石井がライフワークにするほどである。
「1」を2辺とする直角三角形の斜辺はルート2である(だったか?)。
外側の1を繰り返すと美しい螺旋が現れる。
 
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アンモナイトもかたつむりも意識してコレをつくっていたわけではないらしい。
コンピュータが未だに悩んでこの辺が1.41421356・・と「このへん」を曖昧にできずに悩んでいる。
動植物界では自然に、まずルート2が作られるというのだから、やはり生命は底知れない。
大丈夫。難しい話ではない。
 
ここ最近はもっぱら情報収集で飛び回っていた。
座ってポケーッとしているのも飽きたから、動き回っていただけである。
困ったのは英語ができないことである。
イギリスかどっかから精神医学の少し高名な学者がくるというのでもぐりこんできたが、
その説明が英語なのである。
学者の会話では、何を言っているか判らないからといってイヤホンが渡されるが、通訳が英語なのである。
東北の方言のきついおじいちゃんが話すときに『字幕』がでるようなもんである。
専門用語を比較的平易な英語にするだけで基本、英語は英語である。
困った。
うつ病は遺伝子レベルでのアプローチも可能で、将来は投薬治療は少なくなるだろうとのこと。
まぁ、その将来は50年ぐらい後だろうから、当面は関係ない。
日本は「症状から診察する」のが当たり前だが当たり前ではないらしい。
患者に「心理学」からアプローチすると、投薬は最小で最良のものが選択されるとのこと。
もっとも、精神の医師は、ボクらの知っている心理学と大差ない。つまり苦手なのだ。
例えば統合失調の患者が来たら、こういう項目に当てはまればこのクスリ、というのは得意である。
ウツ人が来たら、これも症状を当てはめて、うんうん、そうだね、じゃぁこのクスリ・・はないから入院するか、
程度の乱暴さであるが仕方がない。
これだけ待たせて、またクスリの変更だけかよ・・仕方がない、治療法を大学で教わらないのである。
精神の医師が無能なのではなく、治療法がパターン化されて、新しいのは邪道!と取り入れられないだけである。
他に方法を知らないのである。
 
ここ最近、よく動いてよく話したが、「ウツ人じゃないヒト」との隔たりは大きいと感じた。
どうにも、ウツ人の一日とそれ以外の一日は、大きさも長さも重さも違うようだ。
ボクが一日かかる結論も、一時間もかければ缶ビールを開けたガスのように出てしまうらしい。
ウツ人が悩んで追い詰められる過程も、それ以外には、ひどく鈍重であくびの出る映画のように映るらしい。
『そんなに悩むんなら、動けや?』 『そんな悩んでたら誰だって死にたなるわ?』
ウツ人の思考というのは、そのくらい堂々巡りで生産性がなく、そのクセ結論はどう死ぬか・・つまらんらしい。
そして、それ以外のヒトは、ではウツ人を助ける(あるいはフォローする)余力があるかといえば・・ない。
全くない。
ウツが理解解されない、対応が冷たい、一人ぼっちな気がする、のは、結論から言えば仕方がない。
誰しも社会の中を、同じ時間の中で、さしあたり未来に向かって進んでいる。
階段で言えば、上に上に昇っているのだ。
では、同じ階段か、というとこれが決定的な差となって現れる。
螺旋階段というものがある。
中心は吹き抜けか支柱(ポール)になっている。
 
 
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その支柱(真ん中)部分を垂直にハシゴがあるとする。
ウツ人は螺旋階段を、のたりのたりと昇る。
それ以外のヒトはハシゴを昇る。
ウツ人は手ぶらであるから荷物も持っており、片手でアレコレ(悩むとか)できるのである。
ウツ人以外はそうはいかない。
ハシゴを昇っているから、よそ見はおろか、片手になろうものなら自分が奈落である。
ウツ人もそれ以外も、家族とか仕事とか重い荷物を持っている。
どちらが滑落の危険があるかといわれれば、ハシゴの方々である。
『助けてください!』と螺旋階段から叫んでも、『お前の助けどこじゃないわぁ!』と怒鳴られるのが必定である。
ウツ人も、螺旋階段は長い割には距離(高さ)が稼げずにイライラしている。
自分ではかなり社会になじんだな、昨年よりマシだ、と思っても、
昨年のハシゴの方々は遥か遥か上方のお天道様である。
これでは比べていたら、不安になるだけである。
 
螺旋には螺旋の長所がある。
休みたいときに座って休めばいいのである。
確かに螺旋は目が回る。
サグラダファミリアには「酔い止めの逆階段」があるとか。
歩き続けたら、目が回り混乱が乗じて危険なことになる、そういうつくりなのだ。
きちんと休みましょうね。
 
 
台風のラッシュがやっと一服した。
台風も形状は螺旋である。
海で不安の中に生まれ、遠回りして、海を越えてやっと本土に来たら皆に嫌われる。
他人事ではない。