我が家だけ？ の常識
ヤホーのお題。
ウツ人がバルサの大黒柱なので我が家は非常識しかない。
そこでボクの実家の常識？を少し書く。
１ 毎晩「反省会」がある
毎晩夕食後に始まった。
議長は父親であり、長兄のボクが書記。全て敬語調で発表する。
ボクら兄弟三人は個々に「良かったこと・悪かったこと」を発表する。
毎日そんなに大きなイベントがあるはずもなく、適当に言うと「ウソはダメだ」と言われる。
が、父親はドリフ教徒なので「今日は跳び箱でチンコを打って涙が出ました」と作り話をしてもＯＫだった。
弟達は悪かったことをしない模範生なので、その場でケンカを始め「今のが悪かった」などと繕っていた。
母親は黙っているが『あ、早起きしたのはお母さんが起こしたから！』と自分もアピールしていた。
たまにネタが切れると「新聞を読んでニュースを選んで説明する」という余計な欄も設けられ参った。
お陰で新聞は読むようになったが、テレビ欄と４コママンガを読まなくなった。
「中曽根とレーガンは、結局６０年代を忘れられなかったんだ」などと、子供としてはむかつくことを言うようになった。
反省会は１０年以上続き、ノートも膨大になった。
ソレが歴史になるかといえばならない。両親の郷愁にはなるが純然たるゴミである。
２ 食事に遅れると正座させられる
朝食も夕食も７時きっかりであった。
５分遅れれば５分正座する。そして食べる。
温かいものは温かいうちに、は父親にとって甘ったれであった。
そのくせ父はいただきます！すら言わない。それは横暴ではなく当たり前の光景であった。
弟が反抗期に逆らって食事に２時間遅れで来たが、
きっかり２時間正座させられ、痺れて立てなくなり、食事時間を守るチョイ不良になった。
ボクは天邪鬼なので、６時間ほど遅れて行ったが、きっちりと明け方まで正座させられた。
カトちゃんのコントのようになり、お坊さんってすげぇなぁ！と思ったものである。
３ テレビは１時間まで
子供はアニメとか歌番組とかお笑いとか、とかく見たいテレビが多い。
１時間ではどうにもならない。
それでもその前まで３０分であったので、交渉して良かったと思う。
そこで母親が提案した。
『早起きした分だけテレビの時間を与える』というものだ。
末の弟は、ドラえもん特番のために４時に起きる従順振りを示したが、やがて諦めた。
すぐ下の弟は１時間をうまく計算するツワモノであったが、
ＣＭの間に目をつむっていたので、当時はその程度のお利口でしかなかった。
ボクは天邪鬼なので、テレビを見なくなった。面倒だったのである。
『裸で踊ると結核になるのか？』と妻に聞くようなオジサンになった。
４ プレゼントは父親から要求される
もう書くのをやめようと思ったが、父親が来月誕生日であるから思い出した。
父親は何をプレゼントしても喜ばない。
母親が『喜びなさい！』と叫ぶと、太古のアフリカ民族みたいな踊りをして『わーいわーい♪』と言った。
小遣いから兄弟３人で捻出して相談するだけ無駄であった。
もう適当でいいや、と捨て鉢になった頃に父親が兄弟を集めた。
『オレの誕生日なんだが・・』
兄弟の間で不穏な空気が流れ、アイコンタクトで皆が逃げようとしたが、オヤジは猛獣だ。逃げたら喰われる。
『ヨーカドーで２万円のカバンがあってな？オレが１万出すから、後は３人で割ってな？ソレをくれ？』
父親は２１時きっかりに眠るので、その後が大変だった。
ひとり3,333円にするとしても残りの1円は誰も出したがらない。
なんだあのオヤジ！？
肛門から鼻血を出しても金なんか出すか！というのが結論であったが、そうもいかない。
結局ボクが5千、弟が3千と2千になった。
誕生日が近くなり、父親が集金に来た。家賃のようなもので誰も断れない。
そして、いっつもと同じようなカバンをもって父親が現れて言った。
『どうもありがとう！大事にするからな！？』
ボクらはそこで「失笑」「落胆」とか「辟易」とかいう言葉の真の意味を憶えたのである。
オヤジ、誕生日か・・。
そこそこの墓は建てるから、その前には何も欲しがるな。
恩義も底知れないし、感謝は十分している、義理も通す。
ただ、北海道にウェスタンバリバリな格好で来るのは止めてくれ。
原色のシャツで近所を歩かないでくれ。
オヤジが歩くとな？町が白黒みたいに見えるんだ。
ＰＳ 空港の荷物チェックで、『ライター持ってまーす！』って手を上げるのをやめてくれ。
ソレを没収されてふてくされるのもやめてくれ。
