ケンカはしない

会社にひとこと言おう、それだけ考えていた。

後は耐えよう、そう思っていた。

そして少しでもバランスが拮抗したら攻めよう、そう考えていた。

 

やめた。

 

ボクの代わりもオエラの代わりもいくらでもいるのだ。

まとめてバッサリという「鶴の一太刀」を持ったヒトは、裁判所にでも巨人軍にでも

きっとどこにでもいると思う。

 

 

ケンカはしない。

ボク自身が好きで、そのくせ大嫌いなボクの代わりはいないのだ。

大事にすればもう少しは使える身体だ。

 

このところ、拳ではなく筆で戦う方法と場所を考えていた。

勝てそう？なものが理詰めで行くと、次々に戦法が浮かび相手の死に顔まで見えてきた。

９割勝てるケンカだが・・もったいない。

でもやめた。

９割でも、１割は負けることがある。

小さい頃は１割に賭ける事がかっこよく正義だと信じていた。

大人になったボクは１０割のケンカしかしない。

 

踏み潰されたからといって腹を立てることはない。

踏み潰されるような低い姿勢でいたボクが悪いのだ。

ホントに悪いとは思っていない。当然だ。

踏んだ足の裏には、既に毒が塗ってあるのだ。