MelancholyDampirの日記

ウツな人の独り言

オエラと帰省

オエラに呼ばれた。
昨日の夕方。
こちらの都合はいつも聞かない。電話で済むことも呼び出す。
帰省について、主治医と上司の了承は得た。
それより上のオエラは関係のない話であったのだ。
関係ない話に突っ込み、かきまわし、壊す。
どこのオエラもそうだろう。
なぜか妻も呼ばれたので、息子を置いて行けないので連れてく。
朝一番。
主治医が言う「一方的な自己中心的な説教に呼び出し」、そのままである。
それがボクの病状には一番いけないことなのだそうだ。
その旨も上司と産業医に伝えてあるが、オエラには一切関係ないらしく産業医はチクるだけ。
演説?の内容。
 
『こっちも忙しいからな!なぜお父さんの見舞いや付き添いが必要なんだ?』
脳梗塞でも、リハビリしているなら見舞う必要などない!それが常識だ!違うか?』
『行きたい気持ちは判る、お前に会いたい人間もいるかも、知れない。だが!』
『オレの父親は、見舞いに行ったら「来るな」と言った。仕事をしろ、そういう意味だと思う!』
『オレの父親が亡くなった時は、オレは死に目にも会えなかった』
『そういうオレの家族を犠牲にしてまでの仕事振りに、誰も文句は言わなかった』
『お前は何だ!?ナニ様だ!?』
『お前は、休んでいる!休ませてやっているんだ!バカンスに行くために給料など払っているわけじゃない!』
 
(給料などとっくにもらっていない)
 
『見舞いにいけるなら、仕事をしろ!』
 
(仕事をさせてくれないのは・・・あなたじゃ・・・)
 
『行ってもいいが条件がある!』
『二泊三日!一泊二日と言わないからな・・・ありがたいだろ?』
 
(北海道から東京で二泊三日で?)
 
『親父に顔を見せて「すまん、そういうわけだから自分はゆっくり見舞いなど来られない」と言え!?』
『親父さんも、そうか!ときっと判ってくれる!ソレが常識だしそういうもんだ』
 
(何がそういうわけで、そういうもんなのだ・・・)
 
『あと、奥さんも同行させろ!ウツとか変なことになったら、ひとりじゃなぁ、何もできないだろ?』
『金?金はかかるがそんなの仕方ないだろ?』
『そもそもウツの人間に見舞いや付き添いしてもらって、親父は嬉しいのか?』
『オレなら来るな!と思うな、ソレが親心というものだ!常識としてな?』
 
 
『何か言いたいことがあるか?』
 
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「・・・ありません・・・」
 
 
 
ボクがきとんと発したのはおそらくこのひとこと。
自分がしゃべるだけなら「奥さんと一緒に来い」という必要はなかったのだ。
息子は大人しくガマンしていたが、それに対しては『どうせチョロチョロすんだろ!?』と吐き捨てただけ。
 
帰省はできない。させない。
そういう会社ではないが、そういうオエラである限り、そういう会社になるのだろう。
親が危篤の時には「常識では」どうするのだろう?
 
オエラは言った。
『忌引きだとか、そういう制度もあるが、休んでいる人間に制度もクソもないからな?』
 
母に電話した。
「お父さんには何とか・・伝える・・けど・・・けど・・・」
電車の音にまぎれてよく聞こえなかった。
昨年に祖母が死んだ。父の母だ。
初孫として、いやヒトとして葬儀には出たかった。
ボクはその話を会社にしなかった。いけるはずがないと思ったからだ。
今回は淡い期待を持って、祖母の墓に行く気も強かった。
母を失くし、暫く父は口数すら数えるほどだったらしい。
そんな父が、今だからボクに会いたい、ボクもそれに応えたい。
 
ソレすらウツ人には、かなわない願いなのか。