終わりのはじまり
最近はとくに変だ。
音の強弱が判らない。
息子の声が轟音のように耳を刺す。
ボクは何かを言っているのだが、自分の声が頭の中で反響してしまう。
家中の音が、どこかで反響して、ボクの耳の一点で収束しているんじゃないかと疑う。
今日こそは波がきつい。
結構なレベルできつい。
正直、倒れてしまいたい。
正直に倒れると、何もできなくなる。
だから、倒れない、という気持ちだけで何とかなる・・ものだ。
昨日もその前も、一月前も、なんだか随分前から、きついなぁと思っていた。
そして、どうにかなるさと進んできた。
今日になって、うーんと立ち止まる理由も見当たらない。
何かが身体の中で、良くない方へ、ぐっと歩を速めて進んでいくのを感じる。
うまく説明できない。
腹痛や怪我、ウツとは違う感覚。
鈍痛や疼痛、不安や愁訴ではないが、はっきりとした輪郭のある何か。
何かが終わりに向かう感覚。
今まで続いてきた何かが疲れ、あるいは古くなり壊れていく感覚。
夕方のグレーと呼ぶ。
夜中のダークと呼ぶ。
憂鬱でも不安でも焦燥でもない。
ただ、確実に、何というか良くない。
この「良くない」は、悪いということを認めたくないボクのエゴの表現。
対処のしようがない。
悩んで困ったから解決するモノでもない。
もう期限は過ぎているのだから、見過ごしてくれないだろうか。
締め切りを守らなかった人生。