MelancholyDampirの日記

ウツな人の独り言

タバコ1本が落ちている理由

ボクはスモーカーである。
肩身が狭いなぁ・・・とは思わない。
北海道は割と多いのだ。それも女性が多いのだ。
レストランや喫茶店が「味と香りをお楽しみいただくため」等とやると、客足が落ちる。
暫くして、下手をするとつぶれている。
タバコよりも楽しみたい味と香りは、その店にはなかったことになる。
「お客様のご要望に応えて11時から15時までは禁煙とさせて頂きます」とある。
その時間に行くと客がいない。
外でタバコを吸って帰っていくお客はいる。
どこのお客様の要望に応えたのか謎である。
 
タバコが1本落ちているのを見かける。
ほとんど入っている一箱なら判る。
落としたのだ。
1本という理由を追う。
こういう、どうでもいいことにつかまるのがボクである。
タバコを1本出すには少なくとも4パターンある。
 
1 箱をゆすって1本出す人
2 指で1本つまみだして出す人
3 ケースに分けた中から一本をそっと出す人
4 人から譲ってもらって軽くお辞儀して吸う人
 
個人的には1が好きである。
いつも吸っているイメージで格好いいと思う。
3は、お水に多い。4は、ただのケチである。
ボクは2である。指がじっとりしているから落とさない。
落としても拾って吸う。
あぁそうかと思う。
1本落としているのは、拾って吸わない人なのだ。
 
『チエッ、一本くらいいいか・・どこの何が歩いたか判らないところだ、汚いから』
 
すぐ疑問。
こんな「お潔癖」が、タバコなんか吸うだろうか?
ボクの見聞きしたことを思い出す。
タバコは煙もニオイも嫌いという人は、まずタバコのところには近づきもしない。
やむを得ず近くに吸っているところがあると「あー臭い」などと言いながら、手をパタパタするのだ。
そういうのに限って、ニコチンよりも強烈な顔をしたおっさんであり、
粘土でこねたようなスタイルをした女性でありミスマッチである。
雪に撒いた吸殻のようなお肌の荒れが気になる。
 
 
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『ヘックショイ!ちくしょう!』と叫びながらおじさんがタバコを落としたのを見た。
すぐに拾って『参ったな、どうにもこんちくしょう!』と吸っていた。
ちくしょうが口癖なだけで、こういうのも1本落ちてている理由にはならないようだ。
 
イメージ 2
 
今日、不覚にもタバコとライターの入ったケースを忘れて外出した。
じゃあ今日は帰るまで吸わないでおこう。
というわけにはいかない。
スモーカーはタバコがないと不安倍増。
ウツ人の不安が倍増するのだから、知らない街の雑踏でウ○コをもよおしたくらいの比ではない。
だからライターが増える。
ボクはソレが嫌だから、その場しのぎのライターなんぞ無駄遣いだから一式にしているのだ。
一式忘れてどうするのだ。サザエさんだって財布だけだ。
そして、吸わなくてもいいタイミングでタバコを買う。
同時にどうでもいいライターを買う。
喫煙具には気を使う。スモーカーだからだ。
タバコが400円もするのに100円のライターじゃ失礼じゃないか・・・フン。
雪景色の中、コンビニの灰皿を前にタバコとライターをむき出しで出す。
面白くない。
ライターが・・カチッといかない。
故障か? 泣きっ面にスズメバチだ・・死んでしまう。
レバーは動く。が、カチッと・・までいかない。
 
「幼児の事故防止のため点火レバーを固くしてあります」
 
なんだと? 100円ライターがどうのこうの騒いでいた少し前の騒動はこういうことか?
握力には自信がある!・・・いや、父親よりはない。
あのオシャレなゴリラはもうすぐお迎えの歳だというのに、握力70キロを誇る。
ゴリラの息子として力が入る。
咥えタバコに力が入る。むーむむむ、タバコがジャマだ。
耳に挟んで格闘する。両手ならすんなりカチッといく。
両手じゃぁライターとして便利じゃないどころか、使えないじゃないか。
まぁいい、マッチを手で覆って、西部劇のように格好よく吸って見せるわい。
・・・
・・・
吹雪なんだよ今日は!!
点火レベルが「中」では一瞬の灯り。マッチ売りの少女だ。これでじゃどうしようもない。
点火レベルを最大にする。一瞬に立ち上がり失せる炎。
魔法使い見習いじゃないのだ。試練は要りません。
ただのオジサンにタバコくらい吸わせろ。
イライラする。こういうときに一服したい。
が、目下その一服のための準備段階である・・ちくしょう!
汗で指がすべり、鼻水までもが垂れてきた。
西部劇じゃない。網走監獄だ。
室内で吸える所に移動する。なんたる屈辱。
ムムム、かたい・・・カチッ!ボワッ!
まっすぐに火柱が立ち上がる。
タバコに火を点けず、鼻毛と貴重な前髪だけを燃やしてくれた。
あっちぃいい!
 
ポロリとタバコが口から落ちた。
何故だ?
 
何故だ?じゃないだろ!?
タバコを咥えたまま「あっちぃいい!」と言ったからだ。
ボクは次元大介じゃないから、セリフが終わるまでタバコは待たないだけだ。
あぁなるほど。
1本だけ落ちているのはこういう理由か。
これなら1本だけ落とす。むかついてその場所からも立ち去りたくなる。
 
しかし・・ただでさえ苛立つスモーカーをもっとイライラさせてどうするのだ。
ふと実家のオシャレなゴリラがカチッと軽く点ける様子が浮かんだ。
そうか、これは町工場で試行錯誤の末、生まれた「固さ」であったのだ。
職人は屈強な男なかりだ。みんなスモーカーでゴリラだ。
「安全のために固くしろだと!?こっちの懐も知らないで役人はよぉ」
『この位の固さでいいか?』
『いやダメだ、お前はよわっちいからな。もっと社長みたいに強い・・』
『おぉ、山さん、ちょっとこんなもんでどうだ?』
「こんなもんだろうな・・こっちの固いのはダメか?」
『これは俺らでも少し力が要るからな?子供でも頑張れば点けちまうだろ?』
 
そこで上からから二番目くらいの固さのやわいのに決まったのだろう。
職人さんはきっと、握力も体力検査もやていないだろうが、想像はつく。
ハズレ馬券といっしょにライターも破ってしまうような感じだろう。
つまりはオシャレなゴリラのおもちゃであって、便利なライターではないのだ。
 
(※ 記事が最後に「」だった方へ、ごめんなさい)
ライターをいじって書いていたら握力がなくなってヘロヘロになり、中途で決定を押してしまいました。
こんなにヘロヘロになるのだから、タバコの1本くらい、落としていくのも判る気がします。