MelancholyDampirの日記

ウツな人の独り言

読書と読語

本が好きである。
本を読みながら死ねたら良いと思う。
無人島に持っていくとしたら文庫である。
そういう心理テストでは「本を持っていくのはサバイバル能力がない・もしくはありすぎる」とある。
どっちだ。
はぐらかすな。突き放すな。
 
娘が百人一首に嵌(はま)っている。
『恋の歌なんだよ』と言う。
そうか。
和算の大家 関孝和」と言ってみたがシンと静まり怒られた。
上毛カルタでは、ローカルすぎてボケにもならないらしい。
恋の歌・・年頃の娘には輝ける響きだろう。
貴族はフリーセックスでいっつもやることとすることしか考えていなかった。
とは言えない。
北海道は上の句を読まない。
下の句を真宗の念仏みたいな抑揚と旋律で読む。
下の句は木の札である。
横に積んでいくとバクチっぽい。
 
分れてぞのちに会わんとぞ思う
 
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心にもないことをいうな。
どんどん読むが、やってよかった!か、やれなかったフン!のどちらかが多い。
坊主まで恋の歌を詠む。
天皇までもが詠む。
そういうルールなのだろうが、平和を通り越して不安にすらなる。
口語訳がすぐにウツ人脳を通して浮かぶのでばかばかしい。
 
寂しすぎてぇ♪狂いそうな中でぇ お前を待っていたぁ♪
夜が明けてぇもぉぉ♪月はまだ明るいぜっ♪
 
氷室さんが歌ったらファンが減る。
 
ボクは図書館で本を積んでいるが、中の一文や一語に出会えばやめる。
だから積むのだ。
 
リルケ・永遠の恋の歌」など読む気がしないが、
 
意味もなく笑っているものは私を笑っているのだ
 
などとあると、心にしまう。
良い本だ!となってしまう。
逆に「年収1000万の稼ぎ方」など最後まで何も出てこない。
・ 名刺は配りまくれ
・ 睡眠は好きなときに3時間
・ 恋も全力全て100%
・ オシャレは自分流を貫く
太字で書いてあるのだが、さっぱりである。
勝者の理論はウツ人には判らない。
こういう、いわゆる石田純一論に嵌る人がいるから、侍JAPANは負けたのか。
監督が娘が心配で心配で、采配を捨てたのだろう。
3位でも4位でも、マスコミはもっと褒めろ。
 
三月も終わり、図書館は勉強の色が消え、グループ交際の場になっている。
別のブースに行くとお年寄りのサロンだ。
「お墓の値切り方」とかを真剣に討論している。
魔女のサバトだ。
 
ボクの文にも「何か残る一語」でもあれば良いといつも思っている。
が、そう簡単ではない。
何がその人に、どの時点で、どの角度で琴線を揺らすかは判らないのである。
言葉というものは大抵ナマモノで、時間をかけて選ぶと腐るし、早いと味がしない。
マジに惚れた女を前にして何も言えずに帰るよなうな怖さが、言葉である。
あぁ、楽しませることはできなかった・・・。そう思って呟く。
「今日はついつい自然にしすぎたけど・・今度は頑張りますから・・」
ソレが嬉しいこともあるから難しい。
ホテルで男が立たずに、カネもなく、女に払わせて更に送ってもらう。
「・・今度は頑張りますから・・」
こういう今度は二度とない。
 
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言葉は難しい。
だから文章、まして本などという大海は、とても息継ぎなしでは泳げないのだ。
進路を執らなければ、行き先不明で何も読み取れず、収穫ナシとなる。
それでも何かひとつでも拾いに、ボクは本に入っていく。
一期が始まり一文が終る。