MelancholyDampirの日記

ウツな人の独り言

銀河英雄伝説ひとりごとⅡ

映画を何度も観ていると台詞をそらんじることができる。
アニメも同じ。
ボクは、小説とかも同じになる。
頭の中でページをめくり、あぁあの場面のこのシーンだ、となる。
だから国語の勉強と云うものはしたことがない。
テストを返す時、先生が平均点なるものを仰るが、聞いていたことがない。
なぜ平均を割るのかが判らないのだ。
教科書には大抵、見たことのない面白いモノが載っているからだ。
それとは別に、一回で頭に入ってしまう言い回しや描写もある。
聞いたことがない、見たことがないような例えであり、それは衝撃であり必殺の一撃である。
・クララが立ったぁ!
・立て、立つんだジョオォォ!
 
などである。
無論チン○の話ではない。
 
・オッスおら悟空!
・海賊王に俺はなる!
・お前はもう死んでいる・・
・ムダムダムダムダムダムダムダァ!!
・認めたくないものだな・・若さゆえのあやまちというものを・・・
 
少年雑誌はネームから力が入るらしいから偏る。
 
長文一撃必殺。
英伝はその冠たるものである。
上手く使えばすごそうだ。
戦国の歴史や政治史、社会学行政学なんかの人文分野は殆ど使えるんじゃないかと思う。
田中芳樹氏は言語哲学を持っている。
さだまさし氏とは違う言語の使い方である。
一貫してまわりくどいが読み終えたとき脳天に突き刺さるのである。
結局、衝撃の記憶と云う意味では、長文が近道だと血のレベルで知っているのだろう。
 
「劇的な展開こそなかったが、逐次の交代と補給により、
効果的な突出と後退を繰り返し、同盟軍に出血を強いていた」
 
コレはナレーションでしかないが、実に簡潔な長文である。
誰が何隻沈めたなんて書かなくても、これだけで死者は何百人のレベルではないことが容易に知れる。
同盟側が疲弊していく様が目に浮かぶ。
ナレーションを聞き逃せないのが銀英伝である!
原作に忠実なので、長文であるが、実に語彙と表現に富んでいる。
 
「同盟側は綿密に用意された包囲網を敷き、重心陣に引きずり込むこにより、危険宙域を強引に進行してくる黒色槍騎兵隊(シュワルツランツェンレイター)をピンポイントで砲撃し、その攻撃は熾烈を極めた」
 
映像ではここでフワフワとしている黒い艦隊が撃滅されるのが描かれるだけである。
 
「しかし、短時間なら宇宙最強と言われるシュワルツランツェンレイターの最精鋭である」
 
映像では、フワフワが止まり、一気に進行する黒い艦隊が描かれるだけである。
 
視聴者は「最強の最精鋭」という言葉に肌が粟立ち、同盟側のファンでも「あ、負けた」と思う。
 
事実、同盟側は呆気なく、重心陣を崩される。
言葉と艦隊の映像のみで、これも無像の死者を暗示させている。
 
ナレーションよりもセリフは中文が選ばれ、それが更に効果的に使われる。
 
「民主主義とは、人民の自由意思によって自らを弱める政体のことか?」
 
ラインハルトの放ったこの中文で、イアンはとても悩むのである。
イアンも言葉を大切に選び、その効果を知るヒトだからこそ悩むのである。
 
ここまで読んで疲れましたか?
では、ファンしか判らないシモネタでしめます。
 
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『もう一回してもらえぬか?・・いや、無理強いはしない。
余は貴族どもとは違うのだ・・だが!』
 
そういう顔のラインハルトが最高である。