MelancholyDampirの日記

ウツな人の独り言

戦隊の自己紹介

長く戦隊モノを見てきた。
中断すると大人になったと喜んでいた。
が、子どもが生まれ、育ち、せがまれるとまた詳しくなる。
ゴーカイジャーのように、過去レンジャー総決算をまたやられると、親や祖父母は困る。
ただでさえ、一人にロボ一体と云うバブルぶりなのだ。
スタートの5人で闘いぬく気力もなく、5話目あたりから追加の助っ人を頼むようになる。
サンバルカンは3人で乗り切ったぞ。
初志貫徹しろ。

過去モノまで商品化されては、悪辣にも限度がある。
この調子で行くと、孫の代まで詳しくならねばならないだろう。
近所の子供など、ロボや必殺技の名前を挙げて偉そうにしている。
笑止。
ロボなどなくても、地を這って戦うのが戦隊なのだ。
ゴレンジャーなど段ボールみたいな車と気球で頑張った。
キレンジャーはカレーしか食べていない。
ジャッカーも4人で頑張った。
おまけに「サイボーグの辛さは・・」などと、人より人間臭いドラマで、子供の心を痛めつけた。
さぁ、これから、というときに行動隊長とか云う天下りに牛耳られ、サラリーマンの哀愁さえ漂わせた。

戦隊が変わるたびに、名前も変わる。
名前が多い。
1話のタイトルはいつの時代も「変身から名乗り」である。
後半は5人まとめて一画面で変身しているが、最初が肝心なのだろう。
女子などは言う。
『名乗っているうちに、やっつけちゃえば良いじゃない!?』
まったくその通りだが、そこは定石なのだ。
判っているけど、どこで手を出してはならぬ、暗黙の了解なのだ。
ボクだって、もし個人でやるなら、一人を囮にして4人を分けて背後から撃つ。
ロボの戦闘になったら、間違っても合体はしない。
近接戦闘など論外だ。
火力の強い味方を生かして、前後から挟撃する。

じゃぁなぜ名乗るの?と問われると・・・いや根拠はあるのだ。
武士の名乗り、が正解である。
そもそも戦(いくさ)に先だって、名乗り合うのは礼義であり作法であった。
大企業同士の名刺交換と同じである。

「私たちはこれこれこういうものです、これからおっぱじめますが、どうかお手柔らかにお願します。」
『いえいえ、わざわざ痛み入ります。こちらこそ不手際もございましょうが、何卒よしなに。』 

こういうのが、きちんと最初にあって、両軍が出揃ったところで
「そりゃぁ!!ぶち殺せぇ!!」となるのである。
妙な話だが、日本はこういう「間」の社会である。
相撲も、名乗りを受けて、きちんと見合ってから立ち合いがなければ、困る。
あっと言う間にドドドドっと終わってしまう。
無論、刀による斬り合いだったと云う点も看過できない。
いきなり背後から切りつけるのは、剣道でも御法度である。
必ず買ってしまう状態は、反則なのだ。
サッカーのオフサイドも同じだ。
相手が居る。
むこうからも来る。

「何者だ!」
『遠からんものは音にも聞け、近くば寄って目にも見よ、我こそ○の流れ○の嫡男・・』
「ぬぬぬ、小癪な奴、構わん、切り捨てぇぇぃぃい!」

イメージ 1

どう?
ちょっと読み疲れたしょ?

さておき、名乗りがあった方が、いいしょ?
なんかほっとして見ていられるしょ?

これが「間」なのである。
これを無視して、いきなり繁みや物陰から背後を狙うのは、銃社会による「間抜け」であり日本ではない。
そういうのはボクも好きだが、戦隊より単独向きの戦いだ。
ランボープレデターのような孤高の戦士に特化した方が良い。
勝てばいいんだ!とは実にアメリカ式である。
ヨーロッパだってそうじゃないか、という諸兄もおられるだろう。
剣も持っても、銃を持ってしても、中世からヨーロッパはやはり礼式を重んじた。
銃も単発で、撃つまでの所作が格式とされた。
王権国家であったし、御前での試合が多かったからである。
騎士は高位の身分であったし、剣や銃はたしなみであり作法があった。
日本では名乗るが、彼の地では「意中の女性を褒める」のである。

「この剣、決して罪なき心 善なる身体を斬らず。わが麗しき心の君○◎の名に誓って」

こういうことを言って戦に出るから、女性を戦隊に入れる発想はない。
間違ってもロボやメカなんか出てこないのである。
単発から複発になり、機関銃になると、無辜の民衆までも犠牲にした。

名乗りは自己紹介であるから、自分を知ってもらう第一歩である。
毎回違う敵と戦っている限り、名乗るべきだろうと思う。
後半になると、中ボスクラスと何回か戦うが、そのときはお互いに名乗らない。
名乗る時間も必要もないからである。

ダイナマンは、名乗りにこれでもかと爆薬を使ったので、そのシーンはいつも同じ工事現場だった。
安全第一で宜しい。
ハリケンジャーは、名乗りが武士道の基本形で3人でほっとしたが、やっぱり2人追加になった。
おそらくハリケンレッドが、私生活で剣を振るいすぎ、降板などの心配があったのだろう。
実際に、小雪さんなど、中ボスクラスが斬られている。
記者会見では「みね打ちです・・」みたいなことを言っていたが、やはり逆にバッサリ斬られていた。

名乗ることは大事だ。
今は、名乗ることで、個人情報が・・とか気にする輩が多い。
「もし私の住所が皆に知られたら・・」
大丈夫。
心配は無用だ。
そんな個人情報、誰も要らない。