今年の抱負
健康診断で体調を崩した。
腹痛の中、抱負を考えたが決まらない。
おそらく、継続のままなんだろうと思う。
「急がず休まず」
である。
付け加えるなら
注釈で
「驕らず分相応」
である。
ウツ人となって干支が一回りした。
失うものはなかったが、得るものもなかった。
悲観的ではなく、変わらないものは変わらないと云う事だけだ。
家族や周囲のサポートがなければ、生きていなかったし、今後もそうだろう。
ウツ人ひとりで、その気、になれば死ぬだけだ。
自分の存在価値とか生きる意味とか資格とか、
そういう屁理屈抜きで、生きてから考えろ、と体現していたのはボク以外だ。
とりあえず目の前を生きて、その繰り返しで、色々と好転した。
それは、自分以外の力だと思う。
宗教がかったわけではなく、ボク以外のヒトの力、どこまでもマンパワーである。
人知を超えた力は信じるが、そこに神はいないと思う。
切ない祈りのようなヒトの力が、細々と延々とあるだけで、どこかで神にスリ替わっただけだと思う。
エホバに世界は変えられないし、イスラムの教義ひとつで救える命もない。
ヒトにはいくつもの質の違う願いがあり、祈りがある。
ボクなんかどうだっていい、と信じていたのはボクだけであり、妻子や友人ですら考えは違った。
ボクが思うほど、周りは評価していないし、ゴミ以下とも思っていないのだ。
ボクがいないと少し寂しいとか、少し都合が悪いとか、そんな「なんとなく」の理由でボクは存在している。
その、なんとなく、が重要だ。
なんとなく毎日を過ごすには、身の回りをするとか金を稼ぐとか基礎体力がいる。
どんなところでも食べて眠って排泄していかなければならない。
ストレスとか云うつまらないものを、つまらないと明日に持ち越さない信条が要る。
小さなことをクヨクヨ悩まないと云う鈍感力が要る。
自分の存在を否定されても、それを小さなことと解釈できるかどうか。
・大切な人に死ねと言われた
・周囲と比較できないほど何もしていない自分
・年だけとって成長どころか退化した
こういうのは、長らく大きなことだったが、世界経済からしたら(笑)小さなことである。
自分ひとりいてもいなくても、世界どころか、町内も回る。むしろ純化する。
そこを踏まえて、笑い飛ばして、いびきをかいて寝られるかどうかに、ウツ人の過去も未来もある。
どうか、ここの友人たちには、思い上がらず、思い違(たが)えないで欲しい。
消えても何も変わらないなら生きていてもいいのだ。
ここまでは友人宛。
ここからいつもの調子にする。
「驕らず分相応」
・・・
附則の注釈の方が難しい。
中途半端な肩書きの多いヒトが多い。
暴走族から教師とか、暴力団から僧侶とか、○の作家とか、○のモデルとか。
暴走族や暴力団は、理由はどうあれ通過しないほうが良い大人であることは決まっている。
怖いもの見たさの肩書きは迷惑だ。
ボクは怖いのが嫌いだ。
モデルは人形でも務まるのだから、キレイならどんな奇妙なのだって構わない。
綺麗なのだから、歌って演技もする。下手だとかは二の次。大目に見て欲しい。
あなたが歌って踊るよりは、はるかに若者文化のためだ。
作家は、仕方ない。
見た目も不細工、中身もイマイチ、若くないとくれば三重苦で、最早書くしかない。
書いて認めてもらって、すわ!と不細工が着飾って出てくる理由はそこにある。大目に見て欲しい。
肩書きが多いからと人格が上がるわけではない。
部長で重役だからといって、夫も父親もできていないのでは残念だ。
風邪が治らない看護師、部屋の汚いネイリスト、身辺整理のできないライフオーガナイザー。
肩書きさえなければ生き易いこともあろうに。
肩書き=ステータスは、自分を認めるか否かが全てだ。
自分を認めずに、家族に、友人に認められない、などと一足飛びに評価を他人任せにする。
他人様からの評価が気に入らないと、そこも飛び出て、家出だの上京だの芸能界だのなどと言う。
自分を置き去りにして、逃げ続けているだけだ。
水商売をやって商いをぶって、モデルをやってから作家をやっている、
なんていうのがいれば読まない。
きっと認めて欲しいだけの無駄に尖って女々しい文体だ。
愛された家庭で育った、年端もいかない子供の一文で消し飛ぶだけだ。
「ボクのおかあさんはとってもかわいいブスです」
「おとうさんはハゲだけどやさしいです」
参った。
純粋な無知には何物も勝てないのだ。
子供の無知は、自分の分を限界まで知っている。
話せて走ることは知っても、飛べないことも知っている。
大人になって飛ぶことを思い出すのは、ヤク中だけだ。
ボクも飛ぼうと思った。
ボクも、離婚や転職を考えたし、死ぬことも考えた。
それでも、何も変えずに生きていたのは、きっとつまらぬ大人だったからだと思う。
自分を買いかぶっていたのだと思う。
生きていれば挽回できると考えていたのだと思う。
ウツ人になって10年以上経って、ようやく判ったのは、ボクはアホ、それだけ。
よかった。
離婚しても次がない。
転職しても後がない。
まだやり直せる、そう思っているのは若者だけでいい。
じいさんばあさんまで、身の処し方次第でやり直せると思っている昨今、
やっぱり宗教=神様が一番罪深い。
死ななくてよかった。
死んだら生きられない。