MelancholyDampirの日記

ウツな人の独り言

キムタクとスノボ

ピョンチャンで冬季五輪が開幕し、日本選手が奮闘している。
ピョンチャンが韓国なのか北朝鮮にあるのか、未だによく知らずに観ている。
キム君の妹君が盛んにニュースに出るので、おそらく政治的な駆け引きも競技種目なんだろうと思う。
トランプのおばちゃんも、面と向かって「大嫌いだ」とは言えないので、自国の選手に託すんだろう。
『いっちょギャフンと言わせて来い!』と。
安倍君も同じ。
『あまり波風の立たないように、且つ、致命的なダメージを与えるようにして下さい』と。
日本のハードルは高い。

ボクは滅多にテレビを見ないが、冬季種目はとても好きである。
華がある。
何より、フィギュアの衣装が薄手できわどくて良い。
五輪は、下品に高揚しがちなのだろうが、冬季は寒いので適度に緊張感もある。
紳士淑女のスキーヤーと、スノーボーダーの兄ちゃん姉ちゃんが、同列で競っているのが面白い。
スケーターは公家である。
羽生選手を見れば、あぁ貴族なんだなと判る。
蹴鞠(ケマリ)とか、香道とか、その辺の佇まいだ。

ココは北海道なので、新聞テレビを筆頭に、鼻息が荒い。
北海道新聞、通称「道新」は、連日、道産子アスリートの戦果を書き立てている。
書き方はすごく偏っている。
全国ニュースより悪い。

・ 無念の○○
・ メダル逃す
・ 実力が発揮できず

お前はコーチか?
大会の強化責任者か?
開催費の何十パーセントも払ったのか?
親戚縁者でなくたって、もう少し救ってやるものだ。
北海道は、地方都市の例に漏れず、東京への嫉妬をネオンで固めたような処があるのでこうなる。
同じ舞台で勝負したいが、カネヒトモノの全てに及ばず、同じ土俵もあり得ない。
だから観光や地場産物を推すしかないのである。
冬季と言えばお家芸!いっちょギャフンと言わせてやれ!
言わせるのは選手なのだが、自分は選手には程遠い能力なので、勝手に自己投影するのである。
悪天候で深夜の中、なんとか滑り切っても、結果がなければ酷く書き立てる。
オラが北海道をおとしめた!非国民め!
もはや田舎地主のエゴであり、日本ですらない。
合掌。

さて、
ボクは北海道に来てボードを始めた。
スケボーの延長ぐらいに難しく思っていたが、意外にとっつき易かった。
そして、面白かった。
似ている点は、モテたい一心で上達すること。後ろめたいこと。
昔のスケボーと同じように感じた。
野球やサッカーは公園の中心の広場。
ローラースケート(ブレード)はその周辺。
スケボーは、建物の間の空き地や、公園の壊れた遊具の辺り。
街を抜けた山の入り口、海への出口。
シンナーやドラッグと溜まり場が重なり、人種もなぜだか似る。
使っているのは、色を塗った合板にとって付けた車輪。
どこか貧乏くさく、身体を使っている爽快感が乏しかった。
そこはサーファーも溜まり場は同じで、あの健康的な色合いを一皮むけば、ドロッとした色欲の世界である。
家にいても仕方ない。かといって金もない。
板に乗って、空気や波に揉まれていると・・・なんというか、頭がスッキリして気持ち良い。
不健康なドラッグより、少しまっとうな気がする・・・。
実に勝手な書き方だが、ボードの魅力は、その怪しさにある。
日常に居ながら、どこかにトリップできる。
だから、スポーツドリンクの似合うスキーとは違うのである。
序列を踏まえ、礼儀をわきまえ、長幼を重んじ、自己研鑽に努める。
スキーヤーのイメージそのもの。
ボーダーは、響きからして病んでいる。
病んでいるのに健康であるところが怪しく、まっとうな救いがない。
まだまだ歴史は浅いが、当初からスキーヤーの評判は悪い。
「マナーが悪い・・」
良い訳がない。良くなる理由がない。
光に憧れて憧れて、でも日影に馴染んでしまって、ポカリなんか不味くて飲めない。
アルコールとタバコとドラッグとネオン、路地裏の、LEDがひとつもないネオン。
ほんの少し汗のにおい。それもどこか愛液臭い。
そこにマナーがあったら文化として成立しない。

脱線。

若いボーダーには関係なかろうが、二枚板と一枚板には厳然とした差がある。
スケボーには両脚の自由があったが、スノボは放棄した。
紳士淑女と肩を並べるためのハンデ、いや枷か。
あんな板に乗って、表面を滑走し、スピードを出切って空中に舞う。
身体バランスが全てを支配し、転倒が命取りとなる。
そこが面白い。だと?
およそまっとうなスポーツではない。サーカスに近い。
真面目になればなるほど笑いを誘い、根から真面目な人間は閉口する。
観客は、死と背中合わせの大技に歓喜し、失敗に絶叫する。

ボーダーは入賞しようとしまいと、終始不機嫌である。
モテたいが、表彰は嫌いなのである。
なぜ表彰を狙うかというと、カネが入るしモテるからである。
スキーヤーが、後背を憂いたり、自身を三省したりするのは、紳士淑女だからで、
ボーダーには現在の快楽以外にはあまり心配はない。
表彰に浴しても、好きな人に告げたいとか、お世話になった数人に恩返しができた、とか思うくらいである。
ボクは思う。
それじゃダメか!?
ボーダーに限らず、自分を極限まで追い詰めたことでもう十分である。
結果は、競技だから仕方ないが、それをもって非難はできない。
『まじめにやったのか?』
『練習より悪い!』
お前はコーチか?
大会の強化責任者か?
開催費の何十パーセントも払ったのか?
親戚縁者でなくたって、もう少し救ってやるものだ。

ボーダー(冬も海も)はオシャレである。
発祥が貧乏だから、合わせ方に気を遣う。
鍛えているから、基本的に、タイトな服が似合わない。
ルーツは黒人が多いから、上下ともダボつく。
お下がりが多いからだ。
音楽やダンスと切っても切れない。
日本人がやっても似合わない。
キムタクの服装を真似てもモテないのと同じ。
キムタクはジャンルでありワールド。
キムタク着用を真似ることは、アレと同じだ。
ミッキーマウスの帽子をかぶるのと。

いつだかのメリークリスマス

今日この夜を、忌々しく過ごしているだろうオツムの偏った男子に送ります。
不特定相手の内容になりますが、特定のある方に送ります。
その方曰く・・
もっとあなたは優しい方だと思っていたが、幻滅した、との事。
1 障がい者を誹謗する方なのですか?
2 社会に鬱憤はないのですか?
3 間違ったものを、それは誤っていると言ってはいけないのですか?
4 少数は、多数決によって封圧されなければならないのですか?
・・・
大体こんな内容なのですが、相手が青少年ということもあり、答えるなら、可塑性を鑑みなければ・・
・・・
と思いましたが、ボクはそんな使い分けはできません。悪しからず。
捷径だけを望むなら、解答だけ読んで、ご退場ください。
ボクの少ない読者諸兄には、きちんとした大人が多いのです。
上記のような質問は、ただの愚痴であって、明快な解も解法も無いのです。
いじけているだけの弱虫に、ボクは興味がないのです。
で、答え。
1 障がいは個性です。常識を踏まえずに個性だけを主張するから、双方に誤解が生まれるだけです。
2 あります。酒が飲めるなら、酒に逃げて、とうに依存症になっているでしょう。
3 それが間違っているかどうか、それは残念ながら、あなたが決めることではありません。
  殺人や暴行障害は言うまでもなく悪です。言うまでもないからこそ、法律に書いてあるだけです。
  イジメや無視や仲間外れ等、それらの善悪は決めてもらうものではありません。自分の胸ひとつです。
  誤りを指摘して終わるなら、それは悪です。指摘すらせずに改善するなら、それは善です。
4 自分が少数かどうかは、動いてみないと判りません。
  少数をかきあつめても多数にはなるとは限りません。
  少数でいることは、美談でも英雄譚でもありません。価値観が歪んでいるだけです。
以上。
・・・

で、ここからいつもの独り言を書きます。
特定のある方とは、青少年で、今風に言うなら「家庭と素行に問題がある子」なだけです。
放っておくのが良いのですが、切れる・泣く・失踪する、という三拍子揃った大した子で、
切れる・泣くを、その場で押しとどめようとすると、自傷する・死のうとする、という凄い子です。
なんでそういう子が、ボクを頼るのか、とかっかかりすら無いのですが、おそらく空気でしょう。
ウツ人であるということ。隠したって隠せるもんじゃないですから。
かまってくれそうな空気。そんなとこでしょう。
悪い子ではないんです。ボクはそう思います。親もそう言っていました。
多数決では、悪い子なんでしょうね。良い子が多すぎますからね。
成績は悪くないそうです。そうでしょうね。だから尚更、落ち切れないんでしょうね。
底を打った絶望感も、這い上がってくる感覚も、五感のどこにも創られてないですからね。
黒子のバスケが好きらしいです。何度も貸してくれようとしましたが、断りました。
最近、スラムダンクをやっと最後まで読んだくらいで、もう汗と涙は満腹でしたから。
黒子・・娘も読んでいたのですが、スポーツに綺麗で繊細な人物が増えましたね。王道みたいですね。
ボクは、まだスポーツとは貧乏臭いイメージの世代なんです。
ボールが欲しいけど買えない・・・盗もうかどうしようか、みたいな。
盗むのは言うまでもなく悪だから、作るか!?ってなるんですよ。古新聞とぼろきれで。
で、結局、ちり紙交換のトラックの荷台から盗むんですけどね・・。
見つかって殴られて、「このクソガキ!見逃してやるから出面賃だけ稼げ!」って。
そこでやっと、サッカーでも野球でも始まるんですよ。スタートまでが一苦労。
それで、次は、試合するだけの人数がいないの。友達少ないし、みんな家の手伝いで忙しいから。
やっと暇なのが居たら、運動音痴かルールブックみたいなのとか、戦力外しかいない、みたいな。
ボクと友達一人は、一応いるのね。だから二人。最初にボール作ったし。
で、4人でなんやかんややってたら、向こうから来るのね、そうそう強そうなのが。
一人、やたらとデカイのね。小学生なのになんでだろうね。
そうそう、キャプテン翼のね、次藤くんみたいなの。
縮尺で考えたら、鎌倉の大仏くらいなんだけど、そこは180センチくらいにしておいてよ、ってな感じでね。
そうそう。次藤くんを従えているのが居るのね、ワルね!すごい悪。
音楽の先生に「犯すぞぉ」とか言ってんのね。そんで校長に呼ばれて・・校長が鼻血出して保健室行くのね。
小学生なのに、全然、家に帰ってないの。そもそも自宅が不明なの。誰も知らないの。
ボクも同じだったよ・・だから、ドカベンの初期の方がよく判ったよ。あぁあるある!みたいな。
主人公、長屋住まいで、屋根はトタンで押さえてるからね。毎日、弁当白飯だけで。
たまにお金あると、サンマ焼いてるシーンとか多いの。コレ・・サンマ焼く・・そういうマンガかなぁ・・って。
岩鬼ね。いたいた。デカイよねぇ・・ラオウの次くらいに。ラオウって10メートルくらいでしょ。
フドウ、ラオウ、次藤、鎌倉の大仏、ケンシロウ・・の順?ここでやっと3メートルぐらいでしょ。
あぁ翼くん?2メートルくらい?マミヤと同じくらいじゃない?マミヤ?ケンシロウの元彼女。
そうそう。捨てられるんなら、こっちから見限ってやるわ!って感じで。いい女だよね。
嫌だよね。気味悪いよね。ケンシロウが夜な夜な「ユリア・・」って吐息交じりにさ、隣で寝てんのさ。
そんなこと、居ないときに見えないとこでしてくれって思うよね。
そうそう、ボクはサッカーだったんだよ。ボール?少年団に入ったら、買ってもらえたよ、親に。
言ってみるもんだよね、親に。
殴られるから、そんなこと言えるわけないって、思い込みだったよね。磨いたよ、毎日。
ん?バスケ?体育だけ。そうでしょ?バスケ部なんて、富裕層しかいないってイメージで。
体育でバスケやりますぅって・・それで、いきなり綺麗なボールで、ピカピカのコートでしょ?
ダンクしか頭にないでしょ?NBAとかの。そうそう。
え?ジョーダンじゃなくて、ジョンソンね。マジック=ジョンソン。そうそう「エイズのヒト」。
ダンクって踏切板を使っても、難しいもんだよね。跳ぶ場所とタイミングとさ。
試合中にさ、できないんじゃなくて、やらないんだね。アレはショウのための技だよ。観客用のさ。
ダンクやるなら、はやく進めろ、一点でも取れって、仲間は思うだろうね。当たり前だよね。
ん?居たよ黒人。横浜のね、そうそう、あの辺。やっぱりワルね。悪いのなんの。
転勤で日本だから、基本的に凄いボンなんだろうけど、やっぱり生まれでね・・黒いだけでね・・
ニューヨークって凄いみたい。もう、一区画違ったら、迷いましたじゃ済まないんだって。
同じ黒人同士で仲良くしましょうなんて、夢にも言えないって。スラムこそ少なくなったけど、まだまだ。
だから、ケンカは必死にしたんだって。勝たないと殺されるんだって。
バスケは必須なんだって。ニューヨークならどこそこを応援するって、生まれで決まるの。
そうそう、基本的に手と脚が長いでしょ。スポーツはいきなり有利。
横浜でも・・そりゃもう格好良かったよ。日本人うっとりだよ・・みんな日本人だけど。
でも、違うんだって。這い上がってないから、まだまだなんだって。
でね、サッカーの相手だったさ・・そうそう、家が不明の彼ね!居たのさ!
横浜の、その黒人とか白人が出入りする店にさ。
「Hello 黒人!」とか言って近づいてきてさ・・店の中、もう酸欠みたいな感じで。
そしたら、黒人の彼が「ごめんなさい」って・・。そのワルは上機嫌で出て行ったけどさ。
ボク?そんなの納得できるわけがない。野郎、殺してやるって思ったよ。
日本の恥?・・そこまで考えていなかったけどさ。ボクも10代だったろうし。
その日本のワルは途方もないからねぇ、向こうが絶対に勝つけど、こっちも死ぬ気ならって。
でも、止められてるのさ、ボクがね。いや、その黒人にね。
多数決だからとか、ここはHOMEじゃない、とか言ってた。英語だし、多分そんなこと言ってた。
で、ボクが懸命に謝った気がする。それで逆に叱られた気もしたな、その時。
「謝るのはお前じゃない」って。謝って、とりあえずその場が収まるって思うのは危険だってさ。

あの時は、なんて世界は広いんだって思ったよ。大人になったら、少しは判るのかなってね。
今になったって、ボクは殆ど変わってないんだ。世界は、もう少しは変わったのかなって思いたいね。
え?徹子?黒柳じゃなくて?
黒子?
のバスケ?
いや、いいよ。スラムダンク読んだばっかりでさ。
読むならきちんと買うよ。本は借りない。
そうそう。ブックオフでね。
じゃあね。うんうん、安心して、絶対に見捨てないよ。
ボクの奥さんもね、そうそう、怖い奥さん。
怖いだけじゃない。ボクを絶対に見捨てなかった。
親を、大人を、そんなに見下すな。見限るな。
イジケる理由はどこにもない。
大丈夫。
絶対に大丈夫。
安心しておやすみ。
メリークリスマス。

我が身を三省す

師走と言うのでタイトルを書いたが、現状、特に後悔はしていない。
反省はするが、後悔はしない。
全て身になり糧になるということが染み切っているので、仕方ない。
振り返ったところで、何ら戻らないし、過去をすり替えることはできない。
そもそもボクは記憶力が悪いのだ。
かつて親しくしていた(と言う)知人とか自称友人に会っても、まずピンと来ない。
良く、学生時代の友人知人とばったり会って盛り上がったと聞くが、ピンと来ない。
『あの、私の事、憶えてますよね・・』などと呆れられる。
ボクはバカなので、すんません、と逃げる。
適当に相槌を打って、そこそこの時間を割くというのが、勿体ないと思えてきた。
歳をとったというのが、一番の理由だろう。
若い頃は、時間とは余りあって、道草を食っても薙いでも、翌日には生えそろっていたものだ。
仕事中に、仕事以外の話を聞かなければならないときは、頗る不機嫌だ、と思う。
隣のぶりっこなおばちゃんが、両手を頬に当てて『あ~ん、わかんない~』などとボクに甘えてくるともういけない。
ボクよりは若いのに、なんだその毛穴は!鼻毛は!その昭和アイドルの動きをどうにかしろ!となる。
冷たい目で見ているので、目が合う。
『なーに?』と聞くから、「そういうの痛々しいです。」と言う。
ぽっちゃり、かわいいでしょ?などと言う。吐きそうになる。
こういう団塊ジュニアが、きっと日本中で困った存在なんだろうなと思う。
給料を投資に回したり、老後のために確定拠出年金を始めたり、とにかく金に過剰な期待。
食事は外食か、流行りのコンビニの中食。
あんなカップのスープで、なんであんなに太るのか、まだまだ解けない謎は多い。
運動をしていないんだろう、と思う。座って電話している時間が長い。
水分摂って動けばいいんだが、男女問わず、デブは甘いものを飲む。
おばちゃんは、水分を控える。トイレが近いからだそうだ。
それで代謝がないから寒がる。暖房を上げる。
勘弁してくれ。
そんな仕事の日常を繰り返すと、関係性が鈍磨し、間合いとか考えたくなくなり、半ば空気のように感じる。
今日は蒸し暑いとか、肌寒いとか、そのくらい。
室温ぐらいに考えているから、そんなところで、近しい位置にいた、なんて言われても記憶にない。
男女問わず、ぶりっこキャラで来るヒトたちには、ボクは不評だ。
かわいがってくれない。
何をこの!かわいい動物だからこそ、ごろにゃんってかわいいのだ。
トドやゴリラを愛でようとするには、覚悟が要るのだ。
ボクはそんな覚悟は持つ気はないので逃げるのだ。
一方で、妙に張り合ってくるヒト、ライバル意識をダダ漏れさせながら近づいてくるヒト。
これも関係性は鈍磨していく。
ボクには、切磋琢磨する理由がないのだ。
お互いに頑張りましょう!なんて、部活だろ?若手とやってくれ、と思う。

それでも、体調が悪かろうが、ふらつきながら半笑いで業務をこなすので、体育会系には受けが良い。
薬なんかブラシーボ分だけ効けばいい、後は気力だ、気合だ、とボクは常日頃言っている。
どうせ効いたって高が知れてる、よーし今週は一錠も飲んでやるもんか、なんてやり出す。
通院すら、面倒くさい、うっとうしい。元々そういう人間なのだ。
三省どころか一省も怪しい。
ここ最近、目眩で吐きすぎて、体重が軽くなる一方。
増やそう、の一年だったのに、減った。
66キロのとき悲願成就するかと浮ついていた。
脳は正直。
お前、太ったらダメだって思っているでしょ?・・・と、どこからドンドン切り下げ切り捨て。
太り続けるヒトは、自分に甘い、ダメ出しをしていない、それだけです。
60キロは切りたくない。腰への負担で子供を抱けないじゃないか。
雪がやまない中で、このまま除雪を続けたら、筋肉だけついて、腕の血管が目立つおっさんになる・・
・・・
素敵じゃないか

すっかいヒト

タダ働きに甘んじていた頃。
このやろう、タダで済むと思うな、と逆恨みしていた頃。
会社から給料が出ず、家族に極貧を強いていた頃。
障がい者への制度を利用して、まず慣らしで働いてみては?」
会社から言われた。
要は、障がい者は要らんと云うことだ。
憤りは、なかった。
そりゃそうだ、と思った。
経営者の立場になれば、結論は自明だ。
新卒とは新車であり、社の色に染まるまでは、初期投資はできる。
新車市場が活気があるのは当然。
社の未来を託すからだ。
おっさんや、おばさんたち、中途採用は中古車の市場である。
投資など論外。
労働と雇用は、慈善事業ではないのだ。
壊れてる車は論外。
壊れそうな車も論外。
一応走るが、調子悪い時もある、そういう車も敬遠したい。
優秀な転職者が、転職を繰り返しスキルアップするのも納得。
そりゃそうだ、と思った。
前オーナーからお墨付ならばいい車だ!となる。
実績と実力。
現実社会は、言い訳など聞いているヒマなどないのだ。
急に市場にうろつきだした車など見向きもされない。

それでも、会社を納得させるため、何かしらやってみようかしら、と思った時期があった。
作業所とか就労支援とかリワークとか。
主治医をはじめ、どの医師も薦めなかった。
『物足りないですよ?』
『本当に働けなくなってしまいますよ?』
『慣らしどころか、お遊びのレベルでもないです・・』
当時、喫煙所で一緒になる通院の皆さんは、通所?しているらしく、盛んに聞かれた。
どこの作業所ですか?
「どこも薦められませんでした」と答えると、神妙な顔をして心配してくれたものだ。
就労継続支援と言い、最低の賃金が出ると言う。
当時は、なけなしの賃金でも、飛びつきたいほど羨ましかった。

黙って働いた。
まず飲み込む。それが当たり前になった。
そしてほどなくして、会社はボクへの説得を諦めた。
健常者の倍、仕事ができれば良いだけだ。
一日休んだら、二日分やれば良い。
とにかく忙しいだけ楽しくなった。
対人関係でも業務内容でも、難しいほどテンションが心地よく張りつめた。
平日が終わっても、週末には別のスイッチに切り替わるようになった。
それが当たり前になった。
懐かしい感覚。
事務の勧めで持っていた手帳は、何年も前に返した。
何の役に立つのか、とんと使ったことがない。
当たり前の感覚。
ウツになることはもうないだろう。
戻れないし、戻りたくもない。
そういうものだ。
匂いや温度とともに、苦い景色を思い出すことはあっても。
自分を褒めようとも思わない。
自分と家族のために頑張ることは、努力ではなく、義務だ。
義務を誇るようになったら、人間失格だ。
妻子が食べたいものを食べ、欲しいものに近いものを買えるようになった。
まだまだ及第点は遠い。

あの時、医師が、薦めなくて良かった。
最低賃金では、妻子は食わせられない。
ある程度、他人を説得できる高度な業務でないと、望む賃金には届かない。
定型業務ではなく。単純作業ではなく。
誰でもできる仕事に、自分を合わせている時間はない。
自分が持ち上がっていくしかない。

ボランティアでは、作業所の監修的なヒトとも一緒になった。
ため息のような言葉を漏らしていた。
健常者と同じか、それ以上でないと、どこにも紹介はできない。
そりゃそうだ、と思った。
障がい者に厳しいわけでない。
壊れそうな車は、売れないだけ。
彼だって、自信をもって営業をかけたいだろう。
本音は言えないだろう。
彼らも苦しいのだ。
ほぼ通常勤務のA型。不定期のB型。
どちらも、始めた途端、経営は苦しくなる。
能率とか対効果は言うまでもなく、経済の論理を踏まえない労働は嘘でしかない。
経済は、できれば障がい者は雇いたくない。
すっかいヒトが多いからだ。

素敵なヒト

少し前、ボランティアをしていた。
同じような家庭を担当している都合上、連絡がてら、たまに茶話会がある。
茶話会は、サバトの様相があり、ボクは敬遠していた。
50代60代の女性が多く、他人様の家庭を誹謗することが主題になっていた。
そこで「あのヒトは質が悪い」とされている女性がいた。
ボクは天邪鬼なので、そう揶揄されるヒトの方が気になるのだ。

会って話すと、少しも嫌みがない。
自分の話をするし、他人様の悪口は一つも言わない。
好感が持てた。
間も良いし、知的で、話題が広く深い。
何より、笑いを誘う時は、そのヒト自身の失敗談だけなのだ。
なるほどなぁ、と思った。
男女差こそあれ、人間は「自分との比較」の中で優劣を決めたがる。
全てが秀でていても、ひとつぐらいは致命的な欠陥を欲しがる。
自分にとって、全てが手の届かない美点で埋め尽くされていると困るのだ。
美点しか持たない存在は疎ましい。目障りであるし、自分が惨めだ。
どこかで悪い病気でももらわないかしら・・と思うのだ。
芸能人のスキャンダルが、散々な書かれ方をされるのはそういうことだ。

そのヒトは、他のボランティアから乞われて、仕事をしている。
同郷で同年代だから、きっと引き受けてくれるだろう、という了見。
仕事は、貧困とか暴力とか、問題ある家庭の、子息への環境の改善と生活指導(助言)。
女性ボランティアの多くが、自分も不幸な育ちだったから判る・・と言う。
しかし、彼女は違った。
噂によると、いいとこのお嬢様育ちで優秀。
旦那が素敵で医師で、いいとこに住んでいる、らしい。
そんなヒトが質悪いとは、ボクには思えなかったのだ。
「いいとこ」という表現は、満たされている、という意味だろう。
愛情にも物理的にも満たされた人間が、大きく外れることは少ないのだ。
あったとしても、本人の場当たり的な逃避行であり、長続きしない。
生まれ持った性情とは、どこまでもついて回るからだ。

だから、茶話会での彼女の話は面白かった。
仮にAさんとする。
他はBとする。複数いたがBで十分だ。

旦那が帰ってこない家庭で、子供があまり学校に行っていないという話をしていた。

A「私のところも主人があまり帰ってこないから、他人事ではないわ」
B『浮気?』
A「(笑)だったら頑張れ!って思うけど、昨年あたりから宿直が多いの。明けも帰ってこられないし」 P
B『お医者さんって大変よね?』
B『ああいう家庭があるなんて考えもしなかったでしょ?』
A「自分で担当するまでは他人事だったかも知れない」
B『どうしたらいいか、わけわかんなくなるでしょ?』
A「わかんないよ(笑)最初は片付けて、それからご飯作って子供をおなか一杯にしてからお話を聞くの」
 「おなか減ってたらイライラするし反抗的になるからね。デザート出したら嬉しそうだったぁ」
B『甘やかしたらダメよ?ボランティアだから、持ち出しになるよ?付け込まれるよ?』
A「子供には判んないし、お金の話で旦那さんだって帰ってこないんだろうし・・そのうちね・・」
B『食費どころか、生活費自体殆どないから、あそこ、生保だし!』
 『デザートなんかスーパーの値引き品で良いよ』
A「小麦粉と砂糖と、あと何かあれば十分だよ。」
 「栄養士取っといてよかったなぁって(笑)」
B『なんでそんなの持ってんの?』 
A「大昔だけど、主人が医師試験の勉強してるとき、私も横で何かしようって。
 「今なら保健師も受けられるんだけど、もう頭に入らなくて(笑)」 P
B『旦那さん、最初からお医者さんじゃないの?』
A「高校のアルバイトが一緒だっただけ(笑) 医師になるなんて、冗談かと思ってた(笑)」 P
・・・・

その辺でつまらん話に脱線し、サバトでは自慢話が聞こえだした。
ボクはそのヒトの話を聞きたかったので、横にうつって聞いていた。
彼女は、中流に生まれて普通に育っていた。(そもそも北海道には何代も続く名家の発想なんてない)
勉強や交友に行き詰まって、中高生の時分には、それなりの脱線もしていた。
それなりにいじめも受け、精神を害したりもしていた。(当事者はあっちで笑っている一人らしい)
子どもももうすぐ自立するから、趣味のバイクを始めようと思っていたら、ボランティアに誘われたらしい。
今は、さっきの話の家庭に旦那が戻りだし、子供たちも良い感じなんだと言う。

A「みんなからは、亭主なんか金だけ入れて帰ってこない方が良い、子供も早く自立して欲しいって
 聞くけどね・・。なんでそんなに文句ばかりなのか判らない・・。」
 「私は、主人が、もっと規則的に早く帰れて元気に笑っている方が良い。自分の心配をもっとして欲しい。」
 「子供もずっ~と居てくれてもいい。お家賃だけもらおうかな(笑)」
 

心からほっこりとした。
このヒトは、自然体なんだ。
周りと比べないんだ。
自分の基準を持っているんだ。
自分に自信があるんだ。
だから、優しいんだ。

ちなみに文中のP(ポイント)で、周りのサバトの空気が澱んだ。
彼女たちの顔に「カチ~ン、こいつ生意気!」と書いてあった。
なぜなのか、素敵なヒトには判らなかっただろう。
判らなくて良い。

好きなヒト

特にヒトの好き嫌いはない・・と思われている。
いえいえ、凄まじく選り好みです。

どういうタイプが好きなの?と訊かれる。

「努力するヒトです」

何か目標があって、目指しているヒト。
大好きです。
スキルアップでも、ダイエットでも、一日一善でも良いです。
漠然と、もし金持ちだったら、とか、宙を掴むような与太話ではなく、一日を充実して過ごしているヒト。
具体的に動いていて大好きです。

すぐに嫌いなタイプは?と訊き返されます。

「努力しないヒトです」

何も目標がなく、すぐ上を、すぐ前を目指すことができるのに避けているヒト。
大嫌いです。
スキルアップでも、ダイエットでも、一日一善でも・・良いのに。
何でも一年続ければ、結果は出ます。
いえ、結果が突き付けられます。

・就職(合格)を目指しているが、なんとなく、ねぇ、厳しいですよねぇ・・
・趣味はダイエット、はい、もう○年も続けてます・・
・特に目標はないですねぇ、それを見つけることが目標っていうか・・

やらないこと、できないことへの言い訳を、やる前からするな。
どんなに恵まれない子でも、
一年経ったら進級する。させられる。
そして、卒業する。

子どもは大好き。
努力を努力とも思っていない。

座間事件

寄り添いたい孤独感、消え去りたい帰属願望。
矛盾した心に、差し伸べる手を彼は持っていた。
その手に善悪が書いていなかっただけ。
希死願望のある若者を呼び出し収集した。
蝶から羽だけ毟り取る趣味はなかった。
死んでしまった後は、ただ退屈だった。

いずれにせよ、お茶の間向け番組で、トランプ接待と並べて扱える内容ではない。
視る側がどこまで見下しても、彼には届かない。
視る側がどこまで自惚れても、その事実に、同情できる隙間はない。

彼がハイエナであることに疑いはない。
健康的な魂に触れることは、興味もないし、できなかったであろうから。
ただ、彼を語る友人知人は更に外道だ。蠅だ。
彼の家族は、自失しているだろう。
お茶の間のハイエナに、生まれと来し方を求められるだろう。
何らとっかかりはないと思う。
彼は、愛に飢えたわけでも、倒錯したわけでもない。

選んだ道を歩いた結果。
結果はどこまでもその人を縛らなければならない。
無責任は許されない。
事実は、ことごとく法に触れ、人倫にもとる。
ただし、それは司法のあずかるところ。
ボクも含め、大人はガタガタ言うな。
憤怒や嘆息で、彼と彼のしたことは裁けない。
視聴者も無責任な面はできない。
裁判員として。